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  1. 埼玉県議会 1996-09-01
    10月02日-05号


    取得元: 埼玉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    平成 8年  9月 定例会九月定例会 第九日(十月二日)平成八年十月二日(水曜日)第九日 議事日程 一 開議  午前十時 二 知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問    二十三番  奥ノ木信夫議員     十六番  関口昌一議員    四十一番  丸木清浩議員 三 次会日程報告    十月三日(木) 午前十時開議、質疑質問続行 四 散会          ----------------本日の出席議員   九十一名       二番  尾花正明議員       三番  井上 久議員       四番  鹿川文夫議員       五番  白石孝一議員       六番  清水寿郎議員       七番  宮澤 博議員       八番  新井家光議員       九番  中村正義議員       十番  長峯正之議員      十一番  近藤善則議員      十二番  畠山清彦議員      十三番  福永信之議員      十四番  武正公一議員      十五番  渡辺千代子議員      十六番  関口昌一議員      十七番  岡村 粲議員      十九番  田中龍夫議員      二十番  斎藤正明議員     二十一番  竹内弘文議員     二十二番  吉田 弘議員     二十三番  奥ノ木信夫議員     二十四番  吉田 健議員     二十五番  福野幸央議員     二十六番  舩津徳英議員     二十七番  浦野 清議員     二十八番  井上正則議員     二十九番  竹並万吉議員      三十番  山根隆治議員     三十一番  松下 裕議員     三十二番  黒田重晴議員     三十三番  石渡 勲議員     三十四番  滝瀬副次議員     三十五番  井上直子議員     三十六番  蓮見昭一議員     三十七番  田中暄二議員     三十八番  武笠 勇議員     三十九番  富岡 清議員      四十番  田島敏包議員     四十一番  丸木清浩議員     四十二番  長沼 威議員     四十四番  秋元安紀議員     四十五番  野木 実議員     四十六番  佐藤征治郎議員     四十七番  藤野泰弘議員     四十八番  古寺五一議員     四十九番  沢辺瀞壱議員      五十番  細田米蔵議員     五十一番  奥田昌利議員     五十二番  岡村幸四郎議員     五十三番  山岡 孝議員     五十四番  葛生惠二議員     五十五番  神保国男議員     五十六番  大沢立承議員     五十七番  堀江英一議員     五十八番  福永 剛議員     五十九番  松本安弘議員      六十番  高橋幸寿議員     六十一番  笠原英俊議員     六十二番  秦 哲美議員     六十三番  柳下礼子議員     六十四番  遠藤俊作議員     六十五番  福岡友次郎議員     六十六番  秋谷昭治議員     六十七番  並木利志和議員     六十八番  穂坂邦夫議員     六十九番  浅古 登議員     七十一番  利根田康年議員     七十二番  谷古宇勘司議員     七十三番  神谷裕之議員     七十四番  渡辺利昭議員     七十五番  青木俊文議員     七十六番  熊野 巌議員     七十七番  岡 真智子議員     七十八番  森戸由祐議員     七十九番  山岸昭子議員      八十番  大石忠之議員     八十一番  福田 実議員     八十二番  金子圭典議員     八十三番  深井 明議員     八十四番  宮崎守保議員     八十五番  秋山 清議員     八十六番  栗原 稔議員     八十七番  本木欣一議員     八十八番  堀口真平議員     八十九番  野本陽一議員      九十番  野口卓爾議員     九十一番  西村 暁議員     九十二番  和田清志議員     九十三番  高橋正平議員     九十四番  藤井俊男議員     九十五番  吉野良司議員  欠席議員   三名      十八番  小宮山泰子議員     四十三番  並木正芳議員      七十番  小島敏男議員地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   土屋義彦   知事   池上 弘   副知事   中川浩明   副知事   坂東眞理子  副知事   西島昭三   出納長   梅村 馨   企画財政部長   武田茂夫   総務部長   川田哲也   県民部長   島野實郎   環境部長   野沢通泰   生活福祉部長   土居 眞   衛生部長   小川登美夫  商工部長   古橋光弘   農林部長   江田元之   労働部長   喜多河信介  土木部長   三澤邁策   住宅都市部長   上村知敏   公営企業管理者   荒井 桂   教育長   新井修市   人事委員会委員長   佐藤英彦   警察本部長             発言(質問)通告書  十月二日(水)議席番号 氏名      要旨 答弁者二十三番 奥ノ木信夫議員 1 地域(川口市)の諸問題について              (1) さいたま新産業拠占(SKIPシティ)整備計画について 知事 商工部長              (2) 済生会川口総合病院の建替・整備拡充について 衛生部長              (3) 都市計画道路鳩ヶ谷流山線の県道認定と事業の推進について 土木部長 住宅都市部長              (4) 埼玉国体について 教育長              (5) 川口市内での県営住宅の建設について 住宅都市部長              (6) 都市防災不燃化促進事業の県費補助について 〃             2 県内中小企業の育成と救済について              (1) 中小企業の救済について 知事              (2) 県内中小企業者への仕事の確保について 出納長 土木部長 住宅都市部長 商工部長              (3) 金融問題について 商工部長               ア 借替資金の再提案について               イ 保証料の引下げと徴収方法について             3 財政問題について 企画財政部長              (1) 高い利率の県債の借替えについて              (2) 本県の財政投融資に対する今後の見通しについて 十六番 関口昌一議員  1 長期ビジョンと地方分権の推進について 知事             2 「埼玉県情報センター新宿」について 企画財政部長             3 将来を担う児童・生徒の育成について              (1) 子供の健全育成のための施設整備 生活福祉部長              (2) 高校教育改革の今後の方向性 教育長             4 森林の保全と林業振興について 農林部長              (1) 水源かん養機能の維持強化              (2) 広葉樹の植栽の推進              (3) 県産木材の利用促進             5 高齢者雇用の促進について 労働部長             6 県立がんセンターの運営について 衛生部長             7 産業立地政策の新しい展開について 商工部長             8 地元問題について              (1) 一般国道一四〇号から西秩父地域へのアクセス強化 土木部長              (2) 秩父地域の観光振興 商工部長              (3) 秩父地域の保健医療体制の整備 衛生部長              (4) 映像による文化振興の拠点整備 教育長              (5) 彩の国ふれあい牧場の整備 農林部長四十一番 丸木清浩議員  1 行政改革について              (1) 行政改革に取り組む知事の決意について 知事              (2) 組織改正検討委員会について 中川副知事              (3) 政策自治体への脱皮について               ア 創造的で意欲のある職員の採用について 人事委員会委員長               イ 職員の政策提案能力育成のための研修プログラムについて 総務部長              (4) 公営企業等の民営化、民間委託について 総務部長              (5) 県職員数の削減について 〃              (6) 行政対象等の見直しについて 〃              (7) 組織・機構について 〃             2 感染症に対する体制の強化と感染症センター(仮称)の設置について 衛生部長             3 O-157等に対する安全対策について 教育長 衛生部長             4 エイズ対策について 衛生部長             5 JR八高線沿線の産業的及び観光的な展開について 中川副知事             6 さくらの郷の整備について              (1) さくらの郷・「彩花苑」の整備事業について 農林部長              (2) 新飯能寄居線の整備について 土木部長              (3) 新川越越生線の整備について 〃          ----------------午前十時九分開議  出席議員   八十四名   二番   三番   四番   五番   六番   七番   八番   十番   十一番  十二番  十三番  十四番   十五番  十六番  十七番  十九番   二十番  二十一番 二十二番 二十三番   二十四番 二十五番 二十六番 二十七番   二十八番 二十九番 三十番  三十一番   三十二番 三十三番 三十四番 三十五番   三十六番 三十八番 三十九番 四十番   四十一番 四十二番 四十四番 四十五番   四十六番 四十七番 四十八番 四十九番   五十番  五十一番 五十二番 五十三番   五十四番 五十五番 五十六番 五十八番   五十九番 六十番  六十一番 六十二番   六十三番 六十四番 六十五番 六十六番   六十七番 六十八番 六十九番 七十一番   七十二番 七十三番 七十四番 七十五番   七十六番 七十七番 七十八番 七十九番   八十番  八十一番 八十二番 八十三番   八十四番 八十五番 八十六番 八十七番   九十一番 九十二番 九十三番 九十五番  欠席議員   十名   九番   十八番  三十七番 四十三番   五十七番 七十番  八十八番 八十九番   九十番  九十四番  地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事      副知事(池上) 副知事(中川)   副知事(坂東) 出納長     企画財政部長   総務部長    県民部長    環境部長   生活福祉部長  衛生部長    商工部長   農林部長    労働部長    土木部長   住宅都市部長  公営企業管理者 教育長   警察本部長 △開議の宣告 ○浅古登議長 ただ今から、本日の会議を開きます。          ----------------知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問 ○浅古登議長 これより、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 二十三番 奥ノ木信夫議員        〔二十三番 奥ノ木信夫議員登壇〕(拍手起こる) ◆二十三番(奥ノ木信夫議員) おはようございます。二十三番、自由民主党、南二区川口市選出の奥ノ木信夫です。 平成八年、本定例県議会に去年の当選以来、私にとりましては二度目の質問の機会を与えられましたことは、誠に光栄の極みであります。また、現在まで無事に職責を全うしてこられたのも、ひとえに議員各位、さらには、知事をはじめとする執行部の皆様の御指導、ごべんたつの賜物と、心より厚く御礼申し上げます。 さて、土屋県政も二期目を迎え、知事をはじめ執行部の皆様には、新たな気持ちで県政の課題に取り組んでおられることと存じます。今回は、私の地元川口市の諸問題を中心に、依然として厳しい環境下にある中小企業の救済問題を、前回より更に踏み込んで質問させていただきますので、どうぞ皆様には、私の意図するところをおくみ取りいただき、前向きな御答弁を期待するものであります。 以下、通告に従って順次質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。 地元川口の問題で、最初の質問は、川口のNHK跡地に計画しております「さいたま新産業拠点」、いわゆるSKIPシティ整備計画についてお尋ねいたします。 この計画については、企業の創造的な研究開発力・技術力の向上支援及び、映像産業を核とした次世代産業の導入・集積を図る目的で、その整備に関しては、本県はもとより、全国的にも注目されているところです。特に地元川口では、本整備が川口の産業ばかりでなく、すべての分野の方向付けが変わるほど大きなものと受け止め、取り組んでいるところです。 そこで、質問に入らせていただきますが、まず、第一点目として、地元川口をはじめとする産業界で大きな期待が寄せられているわけですが、かなり具体化してきているこの整備計画に関する知事の姿勢、御所見をお伺いいたします。 第二点目として、地元川口市及び業界関係者の意見、話合いの場がまだ十分ではないように思われるわけですが、もっと細部にわたって話し合える機関を設置する必要があると考えます。現在の状況も含め、商工部長の御答弁をお願いいたします。 第三点目として、NHKへの協力要請についてお伺いいたします。当然のことながら、本計画にはNHKの協力が必要不可欠でありますが、県で示しているB・Cゾーンの土地購入について、方法・時期・価格等の交渉、打合せはどのようになっているのか。また、映像産業を誘致するに当たり、どのような協力を要請しているのか、お伺いいたします。 第四点目として、現在進めている、(仮称)「デジタル番組等制作支援センター」の内容及び設立へ向けての現況、さらには、地元産業育成との関係をどのようにとらえているのか、お伺いいたします。 第五点目として、本計画においては、周辺道路をはじめとして、多額のインフラ整備が必要と予想されるわけですが、これらの整備にかかる費用についての県負担をどのように考えているのか、お答えください。 この件で、最後に、去る九月六日に本事業が自治省のリーディングプロジェクトに選定されたことに関しまして質問させていただきます。 一つ目として、自治省から財政支援が受けられる事業の範囲はどこまでなのか。 二つ目として、普通交付税で償還される元利償還金は、本県の財政指数から大体何パーセントぐらいの見通しか。 三つ目として、本指定による今後の具体的作業予定はどうなのか。 以上、本件に関し多岐にわたり質問しましたが、当局の明快な御答弁を求めます。 次に、済生会川口総合病院の建替・整備拡充についてお伺いいたします。 本病院は、川口市に所在する公的病院として位置付けられており、川口市としても、川口医療センター川口工業総合病院、そして、この済生会川口総合病院の三極体制を確立し、市内の中核病院として、それぞれ関連を持たせて、更なる川口市の医療体制の充実を図っているところであります。 また、本病院は公的総合病院ということなどからも、大変評判がよく、入院患者も数多く、ベッドの空きを待っている患者が多数いる状況です。 これらのことからも、本病院は地域における中核的な医療機関であると考えておりますが、その点に関しまして、衛生部長はどのように認識しているのか、まずお伺いいたします。 次に、これまで済生会川口総合病院の果たしてきた役割を考えますと、地域の医療機関との更なる連携や、阪神・淡路大震災規模の大災害への対応など、今後の望ましい医療供給の方向に沿った機能の充実を図っていくことが重要であると考えます。 そこで、現在策定中の第三次埼玉県地域保健医療計画において、このような地域の中核病院の位置付けについてどのように考えておられるか、お伺いいたします。 次に、本病院の建替え等についてでありますが、これに係る経過につきましては、前回の質問でお話ししましたが、その後一年を経過し、具体化してきた中で、川口市としても、隣接する市の保健センターが来年には移転することから、その跡地を済生会の利用に供する準備をしているところです。さらに、この九月、川口市は、この建替えに関し、議会においても具体的支援を明確化し、市道の廃止・容積率のアップ・周辺用地買収等についての協力体制を打ち出したところです。本県も今日まで多大な支援を打ち出してきたわけですが、川口もこの建替えに関し具体的な支援策を打ち出したところから、同病院としても、県よりのより一層の支援を大きく期待しているところです。今後の県の具体的な支援策について、どのように考えているのか、御答弁をお願いいたします。 次に、都市計画道路鳩ヶ谷流山線」の県道認定と事業の推進についてお尋ねいたします。 この件につきましては、既に平成六年十月二十五日付けで、知事あてに川口市長名で陳情が行われたわけですが、その後ほとんど進展がないまま現在に至っております。 御周知のとおり、川口市にとって、鳩ヶ谷流山線は、その外かく環状道路以南における四車線道路として唯一の東西幹線道路であり、今後の市街地整備上の骨格となる重要な道路であります。現在、主要地方道「浦和草加線」が当該交通を担っておりますが、慢性的な交通渋滞の状況で、市民生活、都市活動等、問題になってきているところです。加えて、鳩ヶ谷流山線に関する土地区画整理事業の促進は、諸般の状況から限界があり、優先的整備が困難な状況となっております。したがって、沿線地権者からの開発意向や用地の売却意向があっても、事業主体が決まっていないので、先買い等はできない状況であります。 このようなことから、地元住民や川口市議会では、是非とも「埼玉県に事業主体になっていただき、街路事業として推進していただきたい」という強い要望が出ているわけです。 以上の実情を勘案していただき、岩槻東京線から浦和流山線までの本線の県道認定とともに早期整備が実現されるようにしていただきたいと考えるわけですが、土木部長及び住宅都市部長の前向きな答弁を求めます。 さらに、これに関連してお伺いいたしますが、本線と交差する浦和東京線についても、今年度中に暫定供用に踏み切ることとなっておりますので、現在、埼玉県施行で行われている本線の街路整備事業の工事の早急な推進が望まれるわけですが、併せて御答弁をお願いいたします。 続いて、平成十六年に行われる埼玉国体についてお伺いいたします。 このことにつきましては、既に各市町村に競技種目が割り振られ、それぞれの市町村において準備が進められていることと思われます。 私の地元川口でも、おかげをもちまして、水泳の全種目、成年男子のテニス、成年軟式野球の競技種目が行われることとなったわけです。川口も開催に向けて準備計画を立てて、平成十一年あたりから施設の整備・建設にとりかかろうとしているわけですが、夏季国体のメイン会場となる水泳競技のプールをはじめ、そのほとんどが新規建設となり、完成には約百二十億かかると聞き及んでいることから、川口市にとっても大きな財政負担となってくるのが予想されるわけです。 秋季メイン会場となる陸上競技場においては、県負担で建設ということも聞き及んでいるわけですが、当然のことながら、夏季メイン会場の建設費負担についてもお考えになっていることと思われますが、念のため、どのように考えているのか、御所見をお伺いいたします。 また、去る平成七年十一月一日付けで、川口市長名で知事あてに要望書が出ていると思いますが、国体の水泳競技を成功させるためにも、本市神根運動場内に水球・飛込みの県営競技施設の建設をお願いする次第です。さらには、川口市には県営スポーツ施設がないという現状からも、是非とも特段の配慮を願いたいわけですが、教育長の答弁を求めます。 次に、県営住宅の川口市内建設についてお伺いします。 このことにつきましては、既に御周知のとおり、川口市とほぼ同規模の浦和・大宮市と比べ、県営住宅戸数は、浦和・大宮市は、それぞれ川口市の二・七倍、六倍となっており、川口市における県営住宅戸数は二市よりもはるかに少ない現況です。元来、公平が原則である行政がこのような大きな格差がついている結果となっているわけです。 さらに、県営の不足分を市営で補ってきたわけですが、それでも、かなりの入居希望者登録者が待っている状況です。 そこで質問に入らせていただきますが、県当局は、この格差をどのように受け止めているのか、また、当面、川口における建設予定はどのようになっているのか、お答えください。 地元川口に関する最後の質問は、都市防災不燃化促進事業の県費補助についてお伺いいたします。 川口市では、地域防災計画に定められた避難地及び避難路の周辺区域の建築物の不燃化を推進することにより、「災害に強い街づくり」を推進することを目的として、都市防災不燃化促進事業を推進しております。 本事業については、耐火建築物を建築する建主に対し、市が耐火建築物と木造建築物との工事費との差額の一部を補助しており、国がその補助金の二分の一を市に対して補助することになっておりますが、国で設定した補助基本額が現実にそぐわないため、低くなっております。したがって、単独の加算補助を行って事業の促進を図っております。このため、川口市の要項に基づく補助金は、国の補助基本額の約一・六倍となっております。川口市も財政的に厳しい折、市費負担の軽減を図る上から、是非とも県費補助制度の創設が必要とされているわけです。 さらに、全国的に見ますと、現在、全国五都府県・八都市・三十七地区が不燃化促進区域に指定され、うち東京都が補助を行っていることからも、防災に関し先進県を自認している本県にとっては是非とも必要な措置と思われるが、御答弁をお願いいたします。 次に、大きな二番目として、前回に引き続き、不況が長期化して苦しんでおられる県内中小企業の育成と救済についてであります。 このことに関しましては、知事をはじめ執行部の皆様には、平素より御心配されていることと存じます。新聞紙上等マスコミにおいては、「景気は穏やかな回復基調にある」と報じ、全体としてはそのような方向に進んでいると感じられるわけです。 しかしながら、さきに本県の商工部が出した「県内中小企業経営動向調査」においては、川口の鋳物、機械、また本県の自動車部品全般、電気器具、金属製品、金型、木型等、ほとんどが依然として低調、厳しい状況、単価の低下等の状態で、やや明るいのは一部業種であり、本県の中小企業者にとっては、依然として大変厳しい状況が続いているのが現状の素直な判断かと思われます。 また、八月末に出た日銀の企業短期経済観測調査では、景気回復にかげりが出て景気の腰の弱さを露呈し、中小企業者にとっては、景気回復とはほど遠い状況が続いていると発表されました。 そこで、このような現況の中で、さらなる中小企業支援対策を徹底させるため、知事が先頭に立ち、各分野に働きかけが必要と思うが、県内中小企業救済にかける知事の御所見をお伺いいたします。 二番目に、県内中小企業者への仕事確保についてお伺いいたします。 去る五月二十九日のある新聞に、「土屋県政の四年」というタイトルで、新都心の建設に関する見出しに「消えた県内業者」と大きく書かれておりました。私はその見出しを見て、大変「さびしい思い」、「はがゆい思い」を受けました。地元埼玉県の仕事をなぜ県内の企業にやらせてあげられないんだろうという思いでいっぱいでした。 確かに、時代は「大競争時代」の到来、「規制緩和による自由競争の激化」という流れにはなってきているわけです。しかしながら、中小企業者等、厳しい影響が予想される弱者には手厚い支援を実施し、我が国社会の伝統である人間相互の厚い信頼関係を崩壊させないよう努めなければならないと思うわけであります。 そこで、この県内中小企業者の仕事確保に関し、主な関係部局はどのような配慮、指導をして育成、救済に取り組んでいるのか。特に、資材、備品等の県産品愛用、入札の指名方法等の配慮はどうなっているのか、また、このことに関し、関係部局は横の連絡も取りながらやっているのか、御答弁を求めます。 さらに、大規模工事のような場合、大手企業の下請けとして県内中小企業者を活用するよう厳しい注文をつけるべきだと思いますが、併せて御答弁を求めます。 続いて、金融問題についてお尋ねいたします。 現在、依然として大変厳しい状況下にある中小企業者にとって最も必要な救済策は、一に、さきの質問の仕事確保、そして、二番目には、金利負担の軽減が大きな救済となることは申すに及ばないことであります。そこで、これに関して、まず第一番目の質問は、去年の九月の定例会でも一般質問で提案しましたが、借替資金の提案を再度させていただきたいと思います。 あのときの答弁では、「金利の話は、一方通行の話が通りにくい」ということでしたが、中小企業者と金融機関の関係は対等ではないわけです。また、県の制度融資の金利は上限のみを設定しているので、それ以下で金融機関と交渉することも確かに可能なわけです。しかし、ほとんどの中小企業経営者は、借入れに際しては弱者の立場にあるわけです。制度融資を借りる中小企業者は、県で設定されている上限の利率で借りるのが精一杯です。それ以下で借入れ交渉ができる中小企業者はほとんどいないのであります。したがって、中小企業者の側に立って県が介入して配慮してあげなければ、やはり政治の存在の意義がなくなってしまうと思うわけです。 また、一九九一年から始まった公定歩合の引下げに伴う低金利政策で、金融機関は、預金金利は大幅に、新規貸出金利は小幅に引き下げてきて、現にバブルがはじけた後でも、去年、今年などはかなりの利益を上げているわけです。したがって、これを、不況が続いて困っている中小業者の救済に少し向けてほしいと考えるわけであります。 さらに、借替資金の実施については、現在、金融機関が既に融資をしてしまっているものであって、新規に上乗せをして貸すわけではないんです。その既に貸し付けているお金に対しては、担保も保証も双方承諾しているわけですから、それをそのまま、県が介入することにより、返済期限の延長と金利を下げてほしいわけです。 そして、この借替資金の創設に当たっては、第一に、借替限度額を決める、第二に、保証協会の協力を得る、そして第三に、主力協力金融機関の協力を得ると、段階を踏んでいけば必ずご理解していただけ、可能と確信しております。何度も言うように、バブルがはじけた後も、現在まで一生懸命頑張っている県内中小業者のために、借替資金の創設を提案していますので、是非とも再検討していただけますようお願いする次第です。商工部長の誠意ある御答弁を求めます。 金融問題の第二番目は、本県より毎年、多額の出捐金、保証金等を支出している本県信用保証協会について質問させていただきます。 第一点目として、現在、中小業者にとって大きな負担のウエイトを占めている保証料の引下げ、これについて再考をお願いする次第です。前回の答弁で、協会の収支がマイナスというお話でしたが、これは、経常外収支のマイナスということでありました。全体としては約十三億のプラス、同じく平成六年度も十三億七千万プラス、平成五年度も十四億九千万プラスで推移し、既に保証協会の基本財産も二百八十八億円に達しているわけです。したがって、十分に検討し、中小企業者に還元することが可能と思われます。 また、他県では、政策的に制度融資の保証料を下げている県もあるようだが、本県も大きな負担となっている保証料を引き下げるよう答弁を求めます。 保証料について第二点目の質問は、保証料の徴収方法についてです。これについては、現在、借入者が黙っていると、待ったなしで天引き、さらに、長期の借入れ、例えば十年ぐらいの保証料についても、その期間すべての分を天引き、交渉しても二回ぐらいの分割しか認められないで、多くの中小企業者の借入者が困っている現状です。さらに、協会側では、中小企業者から天引きして集めた保証料を未経過保証料として計上し、そのほとんどを定期預金として利益を上げているのが実態ではないかと思われます。その額は、平成七年度分で実に約百六十億円に上っているわけです。経営状況が厳しい中小企業者から保証料を先取りして預金の利息を上げなければ経営ができないほど保証協会の運営が困っているのか、そうとは思えないわけですが、答弁を求めます。 また、特に景気が低迷し大変厳しい状況だからこそ、保証料も一年ぐらいずつの、それも分割払いが適切かと思われるが、これについても御答弁をお願いいたします。 以上で、中小企業に関する質問を終わらせていただきます。 大きな質問の三番目として、財政問題について質問させていただきます。 去る八月十九日、本県は、一九九五年度の決算概要を発表しました。その結果、平成七年度における県債残高は、一般会計において一兆四千億、特別・企業会計を入れると、実に一兆九千六百億に上るわけであります。知事も、これに対し、「行財政の抜本的改革に取り組む」との決意を示したわけです。そこで、このことに関し最初の質問は、県債の借替えについてお伺いいたします。 平成七年度の一般会計のうち、借替債、いわゆる過去の高い金利の借入れを安い金利の県債に借替えした額は二百五十九億円であり、先ほどの一兆四千億のたった二パーセント弱であります。さらに、この借替債は、いずれ民間から調達したものへの借替えという点からしても、わずか三パーセントにすぎません。 しかしながら、この一般会計の県債残高の二パーセント弱である二百五十九億を借り替えただけで、約七億五千万円歳出が助かるんです。要するに、県民の税金が利息に回るのではなく、教育、福祉等に七億五千万円回る結果になるんです。また、本年度の予算を見ても、この借替債に二百二十五億しか充てられておりませんが、去年までで、借替え可能な民間調達分の県債の合計が八千八百二十九億、特別及び企業会計を合わせると、約一兆四百億に上るわけです。発行済県債について、もっと多額の借替えをすべきだと思いますが、答弁を求めます。また、できないとすれば、なぜか、併せて御答弁ください。 更にお伺いします。直近での縁故債による調達利率と、その利率に対する財政当局の評価も併せてお願いいたします。 第二番目として、財政投融資についてお尋ねいたします。 金融の自由化が進み、低金利、景気の低迷等の理由により、前年度の財政投融資の不用額が過去最高になったわけです。当然のことながら、民間が有利な資金を供給して、本県においても、ここ三年間をとってみても、一番金利の高い調達先は、公営企業金融公庫の資金、次いで政府資金であり、民間からの資金が一番安く有利になっているわけです。したがって、政府系金融機関の果たす役割も転換期にきていると言っても過言ではないと考えます。 そこで、財政当局にお伺いいたしますが、この財政投融資の受入れに対する本県の今後の方向についてどのように考えているのか、御答弁願います。 以上で、今回の私の質問を終わらせていただきますが、知事をはじめとする執行部の皆様には、重ねて御理解ある御答弁をお願い申し上げ、終わらせていただきます。御清聴大変ありがとうございました。(拍手起こる) ○浅古登議長 二十三番 奥ノ木信夫議員の質問に対する答弁を求めます。        〔土屋義彦知事登壇〕 ◎土屋義彦知事 奥ノ木信夫議員の私に対する御質問に順次お答えを申し上げます。 まず、地域(川口市)の諸問題についてのお尋ねのうち、さいたま新産業拠点(SKIPシティ)整備計画についてでございますが、SKIPシティにつきましては、地元川口市をはじめ産業界の多大な御協力をいただきまして、本年五月に整備計画を策定をいたしたところでございます。 この計画の推進に当たりましては、県、川口市、NHKの三者の密接な協力関係が不可欠でございますので、計画策定の最終段階において、永瀬川口市長さんと、県、市が一致協力して共同で取り組むことを確認をいたしたところでございます。 また、NHKの川口会長さん、それからまた海老沢副会長さんに、市長さんともどもお会いをいたしまして、計画の推進に対する全面的な協力をお願いし、協力の約束をいただいたところでございます。 加えて、映像アーカイブの設置の要請につきましても、前向きのお話をいただいておるところでございます。 また、先行する工業技術センター等の行政四施設の整備につきましては、私自ら倉田自治大臣に要望し、先月、リーディング・プロジェクトとして選定をされたところでございまして、計画の推進に大きく弾みがついたものと存じます。 この計画は、県内中小企業の振興と映像産業の導入・集積をねらいといたしておりまして、地元川口の産業振興はもとより、県内産業の高度化、活性化や本県産業の将来を担う新規の産業の創出に大きな効果を持つ重要なプロジェクトと考えておりますので、私といたしましても、今後とも全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。 次に、県内中小企業の育成と救済についてのお尋ねのうち、中小企業の救済についてでございますが、我が国の景気は、経済企画庁の本年九月の「月例経済報告」によりますと、「民需の動きに堅調さが増しており、景気が回復の動きを続けている」と言われておりますが、県内の景気は、御指摘のとおりでございまして、雇用情勢や住宅着工などで回復の兆しが見られるものの、鉱工業生産の減少傾向が続いているほか、個人消費も再び低下傾向に転じるなど、全国と比べても回復力は弱いものではないかと懸念をいたしておるところでございます。 このような中、私は、「現場主義」に徹し、昨年から「地域経済懇談会」を県内各地で開催をいたしまして、県内の中小企業の皆様方から、生の声を直接お伺いをしておるところでございますが、産業構造の変化の中にあって景気回復の実感が得られず、現在も引き続き、大変厳しい経営環境の中にあって、中小企業の皆様方が死ぬ苦しみで頑張っていると、こういうことを私は身をもって痛感をいたしております。 こうした状況を踏まえまして、私自ら議長となりまして、全庁的な「景気・雇用対策会議」を開催をいたしまして、中小企業対策や公共事業対策、雇用対策などに積極的に取り組んでおるところでございます。 本年七月に私が自ら国に出向きまして、「公共事業の拡大」や、それからまた、「中小企業に対する金融支援の充実」、それからまた、「商店街振興策の充実」などにつきまして、各大臣に対しまして、直接強く要望いたしましたほか、全国知事会議、関東地方知事会議などで、あらゆる機会をとらえまして、中小企業の支援の充実を働きかけているところでもございます。 今回御提案申し上げております九月補正予算案につきましても、厳しい財政環境が続く中、中小企業の皆様方の資金需要にこたえられるよう、事業資金など三資金の融資枠を合わせて二百五十億円拡大するなど、景気浮揚対策の充実に積極的に取り組んでおるところでございます。 本県経済は、県内企業の九九パーセントを占める中小企業の皆様方によって支えられておるわけでございまして、私といたしましても、全力を挙げて中小企業の振興のために現在取り組んでおるようなわけでございますが、私が知事になりましてから、特に、地元企業の育成、このことに私は、お調べいただければよく御理解いただけると思いますが、関係部局に対しましても厳しく命じておりまして、また、大手企業に対しましても、本県の地元の企業の育成に協力をしてもらいたいということも強く要請をいたしております。 このことにつきましては、地元企業の皆さん方も「土屋県政はよく理解をしてくれておる」と、大変感謝をいただいておるようなわけでございまして、更に決意を新たにいたしまして、中小企業の振興のために全力で取り組んでまいります。このことをお誓いいたします。        〔小川登美夫商工部長登壇〕 ◎小川登美夫商工部長 御質問一、地域(川口市)の諸問題についての(一) さいたま新産業拠点(SKIPシティ)整備計画についてのうち、私に対する御質問にお答え申し上げます。 まず、地元との話合いの状況についてでございますが、SKIPシティの計画におきましては、県と川口市、NHKの三者が密接に連携して進めることを計画推進の基本としておりまして、本年七月に、詳細な検討を行うための常設の協議機関である「三者協議会」を設置したところでございます。 また、地元産業界に対しましては、これまでも度重ねて現地に赴きまして、内容の説明や意見の聴取に努めてきたところでございますが、今後とも機会をとらえて、地元産業界の関係者と密接に連携を図ってまいりたいと考えております。 次に、NHKへの協力要請についてのうち、土地の購入につきましては、NHKが所有している用地を将来、県、市で取得することといたしておりますが、まず、現在稼働しております非常用放送施設の移転先を確保することが必要となっております。このため、現在、代替地の選定を進めているところであり、今後、三者協議会の場で具体的に協議してまいりたいと考えております。 また、映像産業拠点の整備には、高度な放送技術や豊富な映像ソフトを持つNHKの協力が不可欠であり、NHKからは御協力の約束をいただいたところでございますので、今後、三者協議会の場などを通じまして、具体化に向けた協力を要請してまいりたいと考えております。 次に、デジタル番組等制作支援センターについてでございますが、これは、郵政省の事業を活用し、デジタル技術を利用した放送番組やケーブルテレビの番組などの制作を支援する第三セクターを設立し、映像産業の導入・集積を図っていこうとするものでございます。 現在、民間企業や川口市の参画を得た準備組織におきまして、第三セクターの事業計画や事業規模、組織構成等について詰めを行っているところであり、本年度中の設立に向けて、鋭意、準備作業を進めてまいりたいと考えております。 また、本事業を契機とした映像産業の導入・集積により、既存産業への映像関連技術の活用や技術交流が期待されるところでございまして、地元産業の一層の高度化、活性化にもつながっていくものと考えております。 次に、周辺道路をはじめとしたインフラ整備についてでございますが、本年度実施しております概略設計調査の中で、インフラ整備に向けての基本的方向についても検討を進めているところであり、川口市の上青木地区整備構想との連携も図りながら、今後、関係機関と役割分担等について協議を進めてまいりたいと存じます。 次に、リーディング・プロジェクトについてでございますが、まず、財政支援が受けられる事業の範囲につきましては、SKIPシティの先行事業として整備いたします産業振興センター・工業技術センターなどの行政四施設の施設・設備等の整備に要する経費でございます。 また、地方債の元利償還金のうち、普通交付税措置される額につきましては、財政力指数に応じまして、三〇パーセントから五五パーセントの範囲で算定されることとなっておりまして、直近の本県の財政力指数に基づき試算をいたしますと、四〇パーセント台半ばになるところでございます。 今後の作業予定でございますが、学識経験者や県内企業経営者の参画を得た、検討委員会を十月中にも設置することといたしておりまして、本年度中に推進計画を策定してまいりたいと存じます。 次に、御質問二、県内中小企業の育成と救済についての(二) 県内中小企業者への仕事確保についてでございますが、商工部では、従来から官公需についての中小企業者の受注の確保につきまして、庁内はもとより、県下市町村に対しましても協力を要請してまいりましたが、平成六年一月の「景気・雇用対策会議」の設置を契機といたしまして、更に要請を強化してまいったところでございます。 今年度におきましても、七月に庁内各部局はもとより、県下全市町村に対しまして、「中小工事等の発注にあっては、できる限り中小企業者を指名すること」、「大規模工事等にあっては、可能な限り分離・分割発注を行うこと」、さらには、「公共事業等において、積極的な県産品の利用に努めること」などを内容とした協力要請を行ったところでございます。 今後とも、庁内関係部局や県下市町村との連携を更に密にいたしまして、県内中小企業者を積極的に支援してまいりたいと存じます。 次に、(三) 金融問題についてお答えを申し上げます。 まず、借替資金の再提案についてでございますが、お話にございましたように、景気の低迷が続く中、中小企業者が大変厳しい状況に置かれておりますことは十分認識しているところでございます。 このため、昨年来、県の制度融資は繰上償還ができることとなっていることなど、柔軟な対応が可能となっている点を活用し、取引先金融機関において、個々の企業の実情に配慮した取扱いをしていただくよう、直接、すべての金融機関に要請を行ってまいったところでございます。 また、中小企業者がそれぞれのケースに応じた対応を図った場合などの、様々な資金需要に十分対応できるよう、融資枠の確保にも配慮してまいったところでございます。 なお、借替資金の創設は、長年運用されてきた固定金利制という県制度資金の前提とあいいれないことや、変動金利制の導入の議論につながることから困難と考えられますが、今後とも、低金利のメリットを中小企業者が享受できるよう、できる限りの努力をしてまいりたいと存じます。 次に、信用保証協会についてのお尋ねのうち、まず、保証料の引下げについてでございますが、保証協会の基本的な仕組みとして、中小企業に対する保証枠は、国の基本通達によって、基本財産の六十倍までとなっており、協会の定款でもそのように定めているところから、中小企業に対する保証枠の拡大の要請に応じていくためには、基本財産の増強が不可欠となっているところでございます。 そこで、本来、保証料収入で賄うべき費用については、収支がマイナスとなっているのが実情でございますので、基本財産などの運用による収益の一部を、まずこの不足額に充て、その残額のすべてを基本財産に繰り入れ、中小企業の金融の円滑化と財政基盤の強化を図ることとしているところでございます。 また、保証料率につきましては、基本料率は国の指導により一パーセントとなっておりますが、県内中小企業の振興を図る観点から、本県の制度融資につきましては、〇・七五パーセントから〇・九パーセントの範囲に引き下げているところでございます。 ここ数年は、代位弁済の大幅な増加や、その回収が困難になっていることなどを勘案いたしますと、保証料率を一律に引き下げることは、なかなか難しいのが実情でございますが、このような中にありましても、昨年十一月からは、昨今の経済情勢にかんがみ、無担保保険・特別小口保険に係る保証料率を平均五・三三パーセント引き下げたところでございます。 さらに、県といたしましては、保証協会に対しまして経費の削減など、自らの厳しい経営努力を求め、経営の健全性を確保しながら、中小企業の金融の円滑化に的確に対応するよう指導してまいりたいと存じます。 次に、保証料の徴収方法についてでございますが、仮に保証料が一部未収でありましても、事故の際には、協会は全額の代位弁済の履行を免れないことになりますので、通常は一括して支払っていただくこととしております。しかし、保証期間が二年以上にわたるものにつきましては、分割納入も可能としておりますので、利用者や金融機関等へのPRを含め、なお一層、その適切な運用に努めるよう指導してまいりたいと存じます。        〔土居眞衛生部長登壇〕 ◎土居眞衛生部長 御質問一、地域(川口市)の諸問題についての(二) 済生会川口総合病院の建替・整備拡充についてお答え申し上げます。 まず、済生会川口総合病院についての認識についてでございますが、同病院は、中央保健医療圏における中核的な公的病院として、川口市民はもとより、広く県民の医療ニーズにこたえる中核的な医療機関であると認識しているところでございます。 次に、策定中の第三次埼玉県地域保健医療計画における地域の中核病院の位置付けでございますけれども、今後の医療供給体制を考えますと、医療機関の機能分化を図り、地域の医療機関相互の連携を一層促進する必要がございます。そうした観点から、中核病院が病診連携、あるいはエイズ対策、災害医療など、特殊な分野において中心的な役割を果たすことが期待されておりまして、第三次地域保健医療計画におきましても、必要な位置付けを行うこととしております。 次に、病院の建替えの際の支援策についてでございますが、県といたしましては、公的病院等が行うがん診療や小児医療などの施設や設備整備への助成、院内感染対策の施設整備への助成、病院群輪番制病院の施設や設備整備への助成、さらには、療養環境の向上に向けた彩の国医療機関整備資金などの活用により、同病院が持つ機能が十分発揮できますよう、引き続き支援に努めてまいりたいと考えております。        〔喜多河信介土木部長登壇〕 ◎喜多河信介土木部長 御質問一、地域(川口市)の諸問題についての(三) 都市計画道路鳩ヶ谷流山線の県道認定と事業の推進についてのうち、私に対する御質問にお答え申し上げます。 都市計画道路鳩ヶ谷流山線の整備につきましては、新規路線として認定して行う場合には、現在進めております県全体の県道網の見直し作業の中で、広域的な道路網の在り方や道路法の規定、あるいは国の認定基準などに照らしまして検討してまいります。 次に、御質問二、県内中小企業の育成と救済についての(二) 県内中小企業者への仕事の確保についてのうち、私に対する御質問にお答え申し上げます。 まず、県内中小企業者の育成と救済の取組についてでございますが、土木部におきましては、従来から、県内企業の育成を発注の基本といたしておるところでございます。 特に発注の平準化、工事施工能力等を勘案した業者選定、元請業者と下請業者との役割と責任の明確化及び代金支払等の適正化などを進めております。 また、優秀建設工事の表彰、業者団体等への各種の指導あるいは、講習会等への講師派遣など、県内建設業者への指導援助に努めてまいったところでございます。 次に、資材・備品等の県産品愛用についてでございますが、これまで入札参加時におきまして、建設資材の納入に当たり、入札参加業者に対し、積極的に県産品を使用するよう指導してまいりました。 その結果、橋りょうの高欄、照明用デザインポール等の鋳物製品をはじめコンクリート二次製品など、県産品の使用の比率が高まってきているところでございます。 今後におきましても、県産品の利用分野の拡大を図るなど、県産品の愛用に努めてまいりたいと存じます。 次に、入札の指名方法等の配慮についてでございますが、指名に当たりましては、企業規模に応じた工事の発注のための発注標準を遵守するとともに、分離・分割発注の推進、共同企業体を活用するなど、県内中小業者への受注機会の確保に努めているところでございます。 なお、最近におきます県内企業に対する県の発注状況でございますが、おおむね件数で九五パーセント、金額で八五パーセントと、工事の大部分を県内企業へ発注しているところでございます。 次に、関係部局との横の連絡についてでございますが、公共事業等の執行に当たりましては、埼玉県景気・雇用対策会議におきまして、各部連携して、県内中小企業者への受注機会の確保や県産品の利用促進などの方針を打ち出すとともに、市町村に対しましても、このことについての協力を要請してまいったところでございます。 最後に、大手企業の下請けとしての県内中小企業者への活用でございますが、工事の一部を下請業者へ発注しようとするときには、できる限り県内企業を活用するよう、入札参加業者に対して強く指導しているところでございます。 今後とも、なお一層、県内中小企業者の積極的な活用を図ってまいりたいと存じます。        〔三澤邁策住宅都市部長登壇〕 ◎三澤邁策住宅都市部長 御質問一、地域(川口市)の諸問題についての(三) 都市計画道路鳩ヶ谷流山線の県道認定と事業の推進についてのうち、私に対する御質問にお答えを申し上げます。 本路線は、県南地域において、浦和流山線と一体として機能する東西幹線道路として都市計画決定されたものでございます。 現在、街路事業や土地区画整理事業で順次整備が進められておりまして、残る区間につきましても、早期に整備を図る必要がございます。 御質問の岩槻東京線から浦和流山線までの区間につきましては、土地区画整理事業の動向も視野に入れながら、街路の整備手法などについて関係部局や川口と協議してまいりますとともに、将来、県道として位置付けが可能な、例えば、県道吉場安行東京線に並行するような区間につきましては、買取り要望に応じてまいります。 次に、都市計画道路浦和東京線との交差部の工事の早急な推進についてでございますが、平成八年度末には約五〇パーセントの用地取得を見込んでおります。 県といたしましては、お話のように、市が施行します浦和東京線の暫定供用に伴いまして、安全で円滑な交通の確保を図る観点から、早期に整備する必要がございますので、引き続き、地元市や関係権利者の御協力をいただきながら用地買収を推進し、早期完成を目指して全力を傾注してまいります。 次に、(五) 川口市内での県営住宅の建設についてでございますが、公営住宅の建設に当たりましては、県及び市町村が協力・役割分担して、市町村が地域の、また、県が広域的な需要を的確に把握して供給することとしております。 川口市におきましては、市が川口市民の公営住宅需要に積極的に対応し、相当数の市営住宅を供給してきたところであり、敬意を表するものでございます。 一方、県営住宅の建設につきましては、広域的な需要に対応するため、第六期住宅建設五箇年計画期間中の供給実績では、川口市を含みます県南地域への建設が六四・三パーセントとなっており、第七期五箇年計画におきましても、的確な供給に努めてまいりたいと存じます。 こうした中で、川口市内における県営住宅建設につきましても、これまで、鋭意努力をしてきたところではございますが、結果として、御指摘のような状況でございます。 今後の川口市内への県営住宅供給につきましては、地元川口市となお一層の連携を図りながら、県営住宅の建設用地の確保について、農協・金融機関などからの情報収集や土地区画整理事業の活用の検討、税制上の優遇措置のPR、県営住宅写真集などを配布しまして県営住宅への理解を深めていただくなど、より積極的な用地取得に努める所存でございます。 さらに、有効な方法と考えられる公営住宅法改正に伴う新たな借上方式などの活用も含め、川口市内における県営住宅の供給に全力で取り組んでまいりたいと存じます。 次に、(六) 都市防災不燃化促進事業の県費補助についてでございますが、この事業は、大規模な地震などに伴い発生する火災に対処するため、避難地、避難路などに沿った一定の範囲の建築物の不燃化を促進することを目的として創設された国の補助事業でございまして、本県では、平成五年度から川口駅西口地区において川口市が事業を進めているところでございます。 災害に強いまちづくりを進める上で、この事業の強化、拡充が重要でございますので、県といたしましては、国に対し、補助基本額の増額などについて、近隣都県市とともに要望を重ねているところでございます。 また、災害時の避難地、避難路や延焼遮断帯などの整備をより計画的に進めるため、現在、都市防災計画についての県の基本方針を策定中でございまして、今後、この基本方針に基づき、県内市町村の都市防災計画などの策定を促進してまいりたいと考えております。 御提案の内容につきましては、市町村の都市防災計画の策定を促進する中で、様々な角度から検討してまいりたいと存じます。 次に、御質問二、県内中小企業の育成と救済についての(二) 県内中小企業者への仕事の確保についてのうち、私に対する御質問にお答えを申し上げます。 初めに、公共事業の発注に当たりましては、県内業者の指名を優先し、分離・分割発注を推進するとともに、下水道の大型管渠や終末処理場の建設など、技術的難度が高い大規模工事につきましては、県内業者への技術移転や危険分散の視点から、JVの積極的活用により、県内中小企業の受注機会の確保に努めているところでございます。 また、元請業者に対しましては、現場説明や契約などに際しまして、建設資材の納入につき、できる限り県内業者を選定するとともに、その資材には県産品を利用するよう指導しているところでございます。 とりわけ建設資材における県産品の利用につきましては、現在、建築物などの生コンクリートをはじめ、街路整備に川口の鋳物や、県営住宅に県内産の瓦を用いるなどしているところでございますが、今後とも、県産品に視点を置いた設計の工夫などにより、一層その利用促進に努めてまいりたいと存じます。 なお、お話の新都心建設事業におきましては、県はもとより、国・公団等に対しまして、知事を先頭に、県内企業の参入機会の拡大や県産品の積極的利用を要請してまいったところでございます。 今後とも、引き続き一層の要請に努めてまいりたいと存じます。 次に、関係部局との横の連絡でございますが、庁内の横断的組織であります知事をキャップとする「景気・雇用対策会議」の方針に従い、県内中小企業の受注機会の確保や県産品の利用促進などに努めているところでございます。 最後に、県内中小企業の下請としての活用につきましては、これまでも現場説明や契約などに際しまして指導を行っているところでございますが、今後とも、できる限り元請業者の理解が得られるよう努めてまいりたいと存じます。        〔荒井桂教育長登壇〕 ◎荒井桂教育長 御質問一、地域(川口市)の諸問題についての(四) 埼玉国体についてお答えを申し上げます。 水泳の競技会場地につきましては、秋季大会の開・閉会式場の会場地決定後、他の競技種目会場地と同様に、「第五十九回国民体育大会競技施設整備基本方針」、並びに「市町村が会場地を希望するために必要な当該競技施設の条件」、これらを前提に開催希望調査を実施し、県準備委員会において、川口市に選定されたものでございます。 したがいまして、お話にございました夏季メイン会場の建設費負担及び水球と飛込みの県営競技施設の建設につきましては、他の国体競技施設と同様に、開催を希望した市町村が整備することとなっております。 いずれにいたしましても、今後、市町村のスポーツ振興の取組につきましては、長期的視野に立って支援の方策について検討してまいりたいと存じますので、御理解を賜りたいと存じます。        〔西島昭三出納長登壇〕 ◎西島昭三出納長 御質問二、県内中小企業の育成と救済についての(二) 県内中小企業者への仕事の確保についてのうち、私に対する御質問にお答えを申し上げます。 物品購入につきましては、予算の効率的執行という観点から、公平な入札等の方法により、良質な物品を廉価で購入することを基本といたしておりますが、出納局といたしましても、従来から県内中小企業の育成を図り、県産品を愛用するという見地から、受注機会の確保に努めてきたところでございます。 平成七年度に出納局で調達いたしました物品は三千七百十三件でございますが、このうち、県内企業にかかるものは三千五百十件で、九四・五パーセントを占めております。 この県内企業の受注件数の大部分は中小企業による受注となっておりまして、全体で見ましても、総処理件数の八一・九パーセントが県内中小企業の受注となっております。 業者指名及び選定に当たりましては、公正・適正・履行の確保といった発注の基本原則を踏まえ、地方自治法施行令に基づく等級格付けを基本に、調達物品の内容、納入後のメンテナンスの必要性等を勘案しながら行っておりますが、その際、特に県内中小企業を優先的に指名するよう努めております。 また、埼玉県景気・雇用対策会議の方針も踏まえ、庁内各部局に対しまして、備品を購入する際には、県産品愛用、県内企業の育成に配慮するよう要請しているところでございます。 さらに、県内中小企業者ができるだけ競争入札に参加できるよう登録の促進を図っているところでございます。 いずれにいたしましても、県内中小企業を取り巻く経済環境が依然として厳しい中、受注機会の確保は、県内中小企業の育成の上で大変重要であると存じますので、出納局といたしましては、今後とも、この点につき十分配慮いたしまして、物品の調達に努めてまいりたいと存じます。        〔梅村馨企画財政部長登壇〕 ◎梅村馨企画財政部長 御質問三、財政問題についてお答えを申し上げます。 まず、(一) 高い利率の県債の借替えについてでございますが、昨年十二月の企画財政総務委員会における附帯決議をも踏まえ、発行済み県債の低利借替えをはじめ、融資条件を少しでも有利なものとするため、平成九年度「国の施策並びに予算編成に対する重点要望」に盛り込みまして、関係省庁に要請を行ったところでございます。 県債の低利借替えにつきましては、現下の財政状況を勘案いたしますと、できる限り実施いたしたいところではございますが、国会などでの論議を通じまして、「債券の保有者である投資家の信頼を著しく損ない、今後の円滑な資金調達に大きな影響を与えるおそれがあるため、慎重に対処すべき」との問題点が指摘されているところでございます。 また、県債の融資条件といたしましては、金利に加え、引受手数料も重要な項目でございます。今回、これまでの要望の成果として、縁故債の引受手数料につきまして、百円につき〇・一円の引下げを行うことで、引受金融機関と協議が整ったところでございまして、昨年度最終予算額で推計いたしますと、約一億七千万円の削減となる見込みでございます。 今後とも、県債の融資条件をできる限り有利なものとするよう、関係機関に働きかけてまいりたいと存じます。 次に、直近での縁故債による調達利率についてでございますが、本年五月に発行いたしました縁故債の調達金利は、引受手数料等を勘案した、いわゆる発行者利回りで三・五八三パーセントであり、国債の三・三パーセント、政府保証債の三・四パーセントを考え合わせますと、そん色ないものというふうに認識しております。 次に、(二) 本県の財政投融資に対する今後の見通しについてでございますが、発行者利回りで比較いたしますと、本年五月におきましては、縁故債が三・五八三パーセントのところ、政府資金が三・四パーセントとなっております。 また、借入期間につきましても、一般的には政府資金が民間資金より長期の借受けが可能でございますし、これらを勘案いたしますと、必ずしも民間資金が政府資金より有利なものとは限らないものと認識しております。 今後とも、事業の内容に応じ、より有利な融資条件の資金の選択をしてまいりたいというふうに考えております。          ---------------- △休憩の宣告 ○浅古登議長 暫時、休憩いたします。午前十一時十四分休憩          ----------------午後一時十一分再開  出席議員   八十七名   二番   三番   四番   五番   六番   七番   八番   九番   十番   十一番  十二番  十四番   十五番  十六番  十七番  十九番   二十番  二十一番 二十二番 二十三番   二十四番 二十五番 二十六番 二十七番   二十九番 三十番  三十一番 三十二番   三十三番 三十四番 三十五番 三十六番   三十七番 三十八番 三十九番 四十番   四十一番 四十二番 四十四番 四十五番   四十六番 四十七番 四十八番 四十九番   五十番  五十一番 五十二番 五十三番   五十四番 五十五番 五十六番 五十七番   五十八番 五十九番 六十番  六十一番   六十二番 六十三番 六十四番 六十五番   六十六番 六十七番 六十八番 七十一番   七十二番 七十三番 七十四番 七十五番   七十六番 七十七番 七十八番 七十九番   八十番  八十一番 八十二番 八十三番   八十四番 八十五番 八十六番 八十八番   八十九番 九十番  九十一番 九十二番   九十三番 九十四番 九十五番  欠席議員   七名   十三番  十八番  二十八番 四十三番   六十九番 七十番  八十七番  地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事      副知事(池上) 副知事(中川)   副知事(坂東) 出納長     企画財政部長   総務部長    県民部長    環境部長   生活福祉部長  衛生部長    商工部長   農林部長    労働部長    土木部長   住宅都市部長  公営企業管理者 教育長   警察本部長 △再開の宣告 ○福田実副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き)
    ○福田実副議長 質疑質問を続行いたします。 十六番 関口昌一議員        〔十六番 関口昌一議員登壇〕(拍手起こる) ◆十六番(関口昌一議員) 十六番、自由民主党の関口昌一でございます。土屋知事におかれましては、二期目を迎え、彩の国さいたまの発展のために、県政運営に全力を尽くされておられまして、心より敬意を表する次第でございます。まだ、本当に御覧のとおりの若輩の県会議員ではございますが、平素、超党派で御指導いただいておりまして、まずもって、県会議員の先生方に御礼を申し上げる次第でございます。 今日は、私どもの選挙区の吉田町、両神村、大滝村、荒川村、そして東秩父村の町村長さんをはじめ大勢の皆さんに来ていただいておりますが、地元で大勢、いろいろな問題がございますので、先生方の深い御理解と知事さんをはじめ担当部局長さんの誠意ある御答弁をよろしくお願い申し上げる次第でございます。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、発言通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。 最初に、長期ビジョンと地方分権の推進についてお伺いいたします。 知事は先日、土屋県政初の県政運営の長期的指針となる「埼玉県長期ビジョン」の試案を発表されました。八つの柱で構成する彩の国づくり構想など、さきの選挙における知事の公約、知事の姿勢を長期的展望に立って具体化しようというこの試案に、豊かな彩の国づくりにかける知事の情熱の一端を感じた次第であります。 私は、土屋知事が就任以来、「市町村が豊かにならなければ国も県も栄えない」とのお考えのもと、県と市町村が対等の立場に立った行政を進め、また、国に対しましては、知事自らが先頭に立って地方分権推進の旗振りをされていることに対しまして、地方自治に携わる者の一人として、高く評価をする次第でございます。 さて、国におきましては、平成七年五月、地方分権推進法の制定を受けて、現在、地方分権推進委員会の場において、計画の指針の作成を進めているところであります。 本年三月に、同委員会がまとめた中間報告では、機関委任事務の廃止が柱として盛り込まれるなど、来るべき分権型社会に向けての大きな一歩が記されたものと受け止めております。 そこでお伺いいたします。長期ビジョンの策定に当たり、地方分権の推進を具体的にどのように位置付けるお考えなのか。さらに、県と市町村との関係、また、市町村に対する支援策についてどのように考えるのか、土屋知事の御所見をお尋ねいたします。 次に、この秋開設が予定されております「埼玉県情報センター新宿」についてお尋ねいたします。 このセンターで平常時に取り扱う予定であるパスポートの発給につきましては、前回の議会で引き続き外務省に粘り強く働きかけていくということでしたが、その後、外務省の了解が得られ、実施できるようになったとのこと、知事並びに行政当局の御努力に敬意を表する次第であります。 さて、本年六月に発表されました平成七年国勢調査の速報によりますと、東京都への流入人口は三百三十万人となっており、そのうち埼玉県からの流入人口は百十五万人と、神奈川県や千葉県からの流入人口を上回った数字となっております。 この数字は、平成二年と比べ、三・六パーセント増加しており、実数で、平成二年の国勢調査時点と比べ、六万人程度増加しております。 こうした中で、昼間、都内にいて十分な行政サービスを受けられない県民に対し、災害時の対応も含め、都内において行政サービスを提供することは、誠に時宜を得たものと考えます。 そこで、「埼玉県情報センター新宿」を全国に誇れる施設とするため、県民への総合的な行政サービス機関として、また、彩の国の広告塔として、今後どのように事業展開を図られるのか、また、将来的に複数の設置を行う予定があるのか、併せて、企画財政部長にお伺いいたします。 次に、将来を担う児童・生徒の育成についてお伺いいたします。 平成八年七月、中央教育審議会より、「二十一世紀を展望した我が国の教育の在り方について」の第一次答申が出されたところでありますが、青少年に「生きる力」と「ゆとり」をはぐくむための教育に取り組むことを期待するものでありました。 二十一世紀が、これまで経験したことのない先行き不透明な厳しい時代となるのではないかと予測されている中で、青少年の「生きる力」をはぐくむことは大変重要な課題であると考えます。 少子化傾向の昨今では、昔のような「ガキ大将」を中心に子供同士が切磋琢磨するような機会は少なくなってきております。 また、テレビを見たり、ゲーム等での遊びが多くなっており、自分自身で体験して感動したり、創造性を育てるような機会は少なくなってきているのではないかと思われます。 学校の完全週五日制が準備されている中で、ゆとりのある時間が増えてくるものと思いますが、友だち同士、親子、年代を超えて様々な人のふれあいを通して、子供を健やかに、たくましく育てる環境が今後ますます求められてくると思われます。 このためには、身近なところに子供が天候の悪いときでも自由に遊べる施設を整備することが重要と考えます。また、幸いなことに、本県には県北や秩父地方を中心に多くの自然が残されておりますので、これを生かして、子供自身が自然の中で様々なことに挑戦し、親や年齢の異なる人々と交流しながら様々な体験ができるような施設も必要ではないでしょうか。 そこでお尋ねしますが、このような子供の健全育成のための施設整備について、生活福祉部長はどのようにお考えか、お尋ねいたします。 また、二十一世紀の日本を、さらには、世界を支える人材の育成が、今日、最も求められていると言えるわけであります。 本県では、教育立県埼玉を目指して、全国に先駆け様々な教育改革に取り組んでおります。 私は、それらの教育改革の成果を心から期待し、また、本県の取組を高く評価するものでありますが、私は、多感で難しい年齢層である高校生の教育こそ、最も重要な問題ではないかと考えます。 そこで、高校教育改革についての国の動向と本県の取組の現状はどうなっているのか、また、本県の高校教育改革の今後の方向性について、教育長にお尋ねいたします。 次に、森林の保全と林業振興について、三点ほど農林部長にお伺いいたします。 今年の夏も渇水問題が深刻化したところでありますが、過去に利根川の取水制限が三〇パーセントになったのは、一九八七年、一九九四年の二度で、今回が三回目とのことであります。将来の県民生活を考えると、大変憂慮される事態であります。 我が国は、豊富な降水量と温暖な気候に恵まれているため、樹木の生育に適し、国土の七割近くを占める山地は、幸いなことにほとんど樹木に覆われ、緑の濃い森林となっております。森林があることによって、降雨が瞬時に海へ流出することなく、常に豊かな河川の流れを維持させてきております。従来から、我が国土が山紫水明と言われてきたほどに水に恵まれていたのは、そのためであると言えます。水は人類にとって地球上における貴重な天然資源の一つであり、森林もまた、これと深く関連した天然資源と言えるところであります。 そして、森林の水源かん養の働きは、水を確保し、洪水の防止、水質の保全、土砂の流出防止など、人々の豊かで安全な暮らしを支える上で計り知れないほど大きな意味を持っております。そのため、今後とも森林の水源かん養機能の維持強化が是非とも必要であると考えますが、そのお考えをお尋ねいたします。 次に、広葉樹の植栽の推進についてでありますが、秩父地域の森林は、昔は薪や炭の生産をする広葉樹の林が中心でありましたけれど、戦中、戦後の伐採により、これらの山々はすっかり荒廃してしまいました。この荒廃した山々を早期に緑化するため、人工造林が積極的に行われてきた結果、現在においては、緑豊かな森林が形成されております。これは、森林所有者や地域住民等の努力によるものでありまして、感謝の気持ちを忘れてはならないものと考えます。 一方、地域環境問題に対する関心の高まり、都市化の進展、物の豊かさから心の豊かさを求める意識の変化等によりまして、県民の森林に対する要請も、身近な自然として、また、暮らしを守る環境財として、あるいはレクリエーションの場としてなど大きく変化してきております。 しかし、従来のスギ、ヒノキ等、針葉樹を主体とする拡大造林に関しては、様々な観点から問題が生じてきており、基本的な見直し、検討の時期に来ているものと考えます。 そこで、これからは県民の期待にこたえられる多様な森林をつくるため、針葉樹の植栽だけではなく、保水力の高い広葉樹の植栽等も含め、計画的な造林事業を進める必要があると思いますが、そのお考えをお聞かせください。 次に、県産木材の利用促進についてでありますが、県土面積の三分の一を占める本県の森林は、県民の暮らしや環境を守る県民共有の貴重な財産として、その価値が広く認められているところであります。しかし、その森林を造成し、管理してきた林業は、長期的な木材価格の低迷や造林費用の増大から、苦しい状況に追い込まれているのが現状であります。 一方、森林資源は、戦後に造林されたものが成熟期を迎えようとしており、その利用促進が望まれているところでもあります。しかしながら、この森林資源を利用する木材産業においても、外国産木材の輸入が増加していることなどにより、県内製材工場は減少している傾向にあり、その経営は厳しい状況にあると聞いております。 御案内のとおり、今、地球規模での環境問題が重要視されておりますが、木材利用につきましても、熱帯林の伐採制限や環境保護運動による伐採削減といった動きが広まっておるところでありますので、こうした時期こそ、国内、特に本県の持続経営可能な森林からの木材を利用促進し、輸入木材への依存度を低減させることは、世界的な規模での環境問題にも貢献するものだと考えます。 また、森林は水源のかん養、洪水の防止、環境の保全などの公益的機能を発揮しておりますが、林業は、この森林の働きを上手に引き出しながら管理する産業であり、地球にやさしい産業であります。 そこで、県産木材の利用促進を図ることによって、林業、木材産業を活性化することが是非とも必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、高齢者雇用の促進についてお伺いいたします。 最近における平均寿命の伸長、出生率の低下等を背景として、労働人口の高齢化が進行しております。昨年十月に実施された平成七年国勢調査の速報によりますと、我が国の総人口一億二千五百五十七万人に占める六十五歳以上の老年人口の割合は、一四・八パーセントに達しております。本県は全国最低ではありますが、それでも一〇・四パーセント、県民十人に一人は六十五歳以上の高齢者であります。まさしく「超高齢社会」に入ってきたという感想を持たざるを得ない状況となっております。 このような情勢下にあって、豊かで活力ある経済社会を実現するためには、高年齢者がこれまで蓄積してきた知識や経験等、その能力を発揮できる就業の場の確保が重要であると思います。政府も今後の高齢社会対策の指針となる「高齢社会対策大綱」をまとめ、その対策の重要な柱として、「六十五歳までの継続雇用の推進」を位置付けております。 しかしながら、過日、東京商工会議所がまとめた高齢者雇用に関するアンケート調査の結果が新聞報道されましたが、それによりますと、六十歳以上の高齢者を継続雇用することに積極的な企業は、わずか一五・五パーセントにしかすぎず、その場合でも、対象者の選別や賃金の一律カットが必要であるとのことでありました。また、本県の高年齢層における求人倍率は、この八月で〇・〇九倍と厳しい状況となっております。 そこで、長生きしてよかったと実感できる埼玉の創出を達成するために、今後の高年齢者の雇用・就業対策にどのように取り組まれるのか、労働部長に御所見をお伺いいたします。 次に、県立がんセンターの運営についてお尋ねいたします。 県立がんセンターは、昭和五十年十一月に埼玉県百年記念行事として設置されて以来、県内全域の医院、病院からの紹介患者を中心に治療を行っておりますが、開設以来、約二十年を経過し、現在の医療ニーズに対応しきれない点が大分出てきているのではないかと思われます。 まず、外来診療についてでありますが、診療時間が午前九時から正午までとなっており、開院当初から紹介予約制をとっているにもかかわらず、午前中にはロビーに人があふれており、医者は昼の食事もとれず、ずれ込んだ患者さんの診療に当たっている状況でもあります。 このため、三時、四時になっても、ロビーに投薬、会計窓口の済まない患者さんが残っていることもあり、一日がかりの通院というのも、誇張ではない状況になってきております。 また、入院の関係ですが、がんセンターでは、地域の医療機関からの紹介、依頼を受けた患者さんの入院治療、手術を行っているところでありますが、現在の入院待機日数が平均で約二十日、診療科目によっては二か月近く待機しないと入院できない状況になっております。 このような状況は、患者本人にとっても不幸なことであるとともに、地域の医療機関も、自分の患者を紹介することに二の足を踏むことにもなり、がんセンターと地域の医療機関のスムーズな連携を損なうことになるのではないでしょうか。 そこで、このような県立がんセンターの現状に対し、どのような対応策を考えているのか、衛生部長にお伺いいたします。 次に、産業立地政策の新しい展開についてお尋ねいたします。 先ごろ、経済企画庁が発表した月例経済報告によりますと、我が国の景気は「回復の動きを続けている」としております。しかしながら、生産拠点の海外移転による国内経済の空洞化の進展や、本格的な「大競争時代」の到来による国際的な企業間競争の激化など、我が国の産業を取り巻く環境は、ますますその厳しさを加えている状況にあります。 こうした中で、本県の経済状況は、製造品出荷額等が平成三年をピークに、毎年約一兆円ずつ減少を続け、また、工場等の新規立地件数も、一時期の三分の一程度まで減少し、低迷を続けております。こうした状況が長く続きますと、本県産業の活力そのものの維持が危ぐされるのではないかと心配をいたすところでもあります。 そこで、私は、本県産業の持続ある発展と活性化を図るためには、産業立地政策の抜本的な見直しを行い、新たな展開を図らなければならない時期に来ているものと考えますが、県では、こうした課題をどのようにとらえ、また、取り組んでいく所存なのか、商工部長にお伺いいたします。 次に、地元問題について何点かお尋ねいたします。 まず、一般国道一四〇号から西秩父地域へのアクセス強化についてお伺いいたします。 現在、秩父地域では地域の発展を図るため、中心的幹線道路となる一般国道一四〇号の皆野寄居間においてバイパスの工事が進められているところであります。 また、山梨県境の雁坂峠においても、平成九年度開通を目指し、トンネル工事が進められているところであり、これら道路が整備されますことは、埼玉県・山梨県を結ぶ幹線道路として、秩父地域の発展に大きく寄与するものと考えます。 こうした中で、吉田町、小鹿野町、両神村を中心とする西秩父地域を見ますと、この地域には鉄道がなく、交通機関は車のみでありますが、道路も未改良部分が多く、シーズンによっては、観光客など大変混雑する状況にあります。西秩父地域は豊富な観光資源があるにもかかわらず、こうした状況では、十分にこれらを生かしきることができないと考えております。 そこで、この国道一四〇号の整備に併せて、西秩父地域へのアクセス強化を県はどのように考えているのか、土木部長にお伺いいたします。 次に、秩父地域の観光振興についてお伺いいたします。 平成十年春には、埼玉県及び山梨両県民の長年の悲願であった国道一四〇号の雁坂トンネルの供用が開始されて、本県と山梨県とが結ばれることになり、秩父地域の住民の方々は大きな期待を寄せておりますが、その反面、不安を感じているのも事実であります。 山梨県は、人口こそ約八十八万人と、本県の約八分の一の規模でありますが、名だたる観光地であり、富士山、昇仙峡など、多くの方々を引きつける魅力あふれる観光資源が点在しております。 また、観光宣伝にも力を入れており、全国的な観光キャンペーンを実施しているほか、都内では東京・八重洲の物産観光案内所に加え、新宿駅にも観光案内所を開設するなど、首都圏に向けて積極的な情報提供を行っており、その観光情報発信の努力には並々ならぬものがあります。 私の住んでいる秩父地域にも、首都圏の人に是非知ってもらいたい、県会議員の先生方にも是非見てもらいたいというようなキラリと光るすばらしい観光資源がたくさんあります。しかし、私は、本県の場合は、民間、行政いずれかが実施するにかかわらず、観光キャンペーンの実施など、観光PRの面で立ち遅れているのではないかと感じております。 このような状況では、秩父・甲府間が約二時間と、従来の半分ほどの時間で往来できるようになりますと、秩父地域は単なる通過点となり、平成七年には年間九百万人に達していた観光客も減少に転ずるのではないか、交通渋滞などの、いわゆる観光公害のみ残され、経済的な恩恵を受けることは少ないのではないかと懸念しております。 そこで、雁坂トンネル開通を前に、観光事業者、市町村、県などが連携して、各地域の観光資源の魅力を更に高め、その魅力を首都圏に知らせるという積極的な対策をとる必要がますます高まってきていると考えます。県としては、どのような観光振興対策を考えているのか、商工部長にお伺いいたします。 次に、高齢化が非常に進んでおります秩父地域の保健医療体制の整備について、衛生部長にお伺いいたします。 秩父地域の六十五歳以上の高齢者の割合は二〇・四パーセントと県内で最も高く、また、一人暮らしの高齢者も、この五年間に一八パーセントも増えております。 近年、核家族世帯や高齢者のみの世帯等が増え、家族構成の変化が見られるなど、高齢者の介護も重要な課題となってきております。 また、本県では、三大成人病の一つである脳血管疾患による死亡率が減少傾向にあるにもかかわらず、秩父地域では依然として高い死亡率であり、県平均を上回り、年々上昇してきておりまして、憂慮すべき問題であります。こうした状況の中で、来年四月から地域保健法の全面施行により、住民に身近な母子保健事業が市町村に移譲されますと、市町村保健センターは地域住民に密着した健康相談、健康診査等の対人保健サービスの拠点として、その役割は今後ますます大きくなってまいると考えます。 幸い、本地域では、一町村を除き保健センターが整備されておりますが、実態としては、まだまだ十分とは言えず、特に財政力の弱い小規模町村への県の支援方策が必要であると考えます。 そこで、まず、小規模町村の保健センターの充実を図るため、国や県はどのような支援策を講じようとしているのか、お尋ねいたします。 また、住民は保健サービスを提供する町村の保健婦に対し大きな期待を寄せておりますが、規模の小さい町村では、複数の保健婦を確保することが非常に困難となってきております。 県は、こうした状況を踏まえ、小規模町村の保健婦確保のためにどのような対策を講じているのか、併せてお伺いいたします。 次に、地域の医療体制の面についてお伺いしますが、皆野町、長瀞町には、現在、救急指定病院がありません。したがいまして、急病等により緊急に医療機関にかかる必要が生じた場合は、救急病院のある秩父市又は近隣の深谷市、小川町あるいは本庄市まで行かなければならない状況となっております。 隣接する寄居町には県立の寄居こども病院があり、ここでは主に寄居養護学校に在学する児童及び生徒に対する医療の提供を目的としているとのことでありますが、最近、子供を中心とした患者の時間外診療を開始したと聞いております。 そこで、我が党の石渡県議が熱心に取り組んでおられる問題でありますが、寄居こども病院が救急医療機関として整備され、皆野町や長瀞町など、近隣の救急患者を受け入れる体制がとれれば、地域住民にとって大いに心強いことと考えます。 皆野寄居バイパスが開通すると、皆野町、長瀞町からでも十五分以内で結ばれることになり、救急医療を受けることが難しい地域にとって明るい展望が開けることになりますので、その実現可能性についてお伺いいたします。 次に、映像による文化振興の拠点整備についてお伺いします。 春の小鹿祭りを皮切りに、師走の秩父夜祭りまでの一年を通して、秩父地域は、季節を祭りと年中行事が彩り、多くの人々を魅了してまいりました。秩父地域は、まさに埼玉県における伝統と文化が豊富に花開く継承の地であると言っても過言ではありません。 緑豊かな自然の中で地域の人々が保持してまいりました多くの技は、何よりも郷土秩父の財産であります。こうした伝統と文化を研究し、展示する施設は、現在、岩槻にある県立民俗文化センターでありますが、我が秩父地域で多彩に繰り広げられます多くの祭りと年中行事を展示、研究するには、残念ながら十分ではありません。そのために、第二民俗文化センターとして、秩父の祭りと年中行事を映像を中心とした総合的な展示、研究機能を持つ拠点センターの整備が求められるものであります。 そこで、今後の秩父地域における文化の振興方策を含めて、映像による文化振興の拠点整備について、教育長に御所見をお伺いいたします。 最後に、彩の国ふれあい牧場の整備について、農林部長にお伺いいたします。 県では、秩父高原牧場を県民に親しまれる牧場となるよう、平成五年度からふれあい施設の整備を始め、今年度には整備が完了し、「彩の国ふれあい牧場」として、平成九年にオープンする予定と聞いております。 埼玉県民のため、このようなふれあい施設が県の牧場を有効に活用する中で整備されますことは、大変好ましいことでありますとともに、我々地元の者にとりましても、地域の活性化のための観光資源として大いに期待しているところでもあります。 そこでお伺いいたしますが、完成する「彩の国ふれあい牧場」のメイン施設として、本年度、「(仮称)彩の国みはらし館」が建設されるとのことであります。観光資源として、たくさんの人に訪れていただける立派な施設にしていただきたいと思いますが、完成した折には、来場者をどのくらい見込み、どのような管理運営を行うのか、お尋ねいたします。 さらに、地元の方々が強く要望し、「ふれあい牧場」の一部を借り受け、休・祭日に仮設テントを利用して新鮮な牛乳・乳製品や野菜などの農畜産物を直売し、来場者から大変好評をいただいているとのことでありますが、「彩の国ふれあい牧場」を秩父地域の観光資源として、より効果的に活用するために、訪れてこられる方々の利便性を考え、売店などの関連施設を今後も整備充実していく必要が是非ともあると思いますが、そのお考えをお伺いいたします。 以上で、私の県政に対する一般質問を終わらせていただきますが、知事さんをはじめ担当部局長さんの誠意ある御答弁を心からお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手起こる) ○福田実副議長 十六番 関口昌一議員の質問に対する答弁を求めます。        〔土屋義彦知事登壇〕 ◎土屋義彦知事 関口昌一議員の私に対する長期ビジョンと地方分権の推進についての御質問にお答えを申し上げます。 私は、知事就任以来、「政治の原点は地方自治にある。これからの主役は市町村。市町村が豊かにならなければ国も県も栄えない」という政治信条のもとに、国の持っております権限や財源をできるだけ県、市町村へ移譲するよう、総理大臣主催の全国知事会、あるいはまた関東知事会、七都県市首脳会議等、あらゆる機会を通じまして訴え続けてまいりました。 おかげさまで、関口議員のお話にもございましたように、昨年の五月に地方分権推進法が成立をいたしまして、その内容につきましては、五年間の時限立法で検討をすると、こういうことで、本県ゆかりの諸井虔日経連副会長が地方分権推進委員会の委員長となられまして、現在、精力的に取り組んでおられるところでございます。 二十一世紀における我が国の創造性や活力を引き出し、地域住民の豊かな生活を実現していくためには、地域の実情や生活課題を明確に把握できる身近な行政主体である地方自治体に、国の持つ権限や財源を大幅に移譲し、地域の特色を生かした分権型社会への転換を図ることが強く求められておるところでございます。 このため、このほど取りまとめました長期ビジョンの試案におきましても、大きなテーマの一つといたしまして、地方分権を推進し、分権型社会システムの構築を目指すことを明確に位置付けたところでございます。 また、県と市町村との関係についてでございますが、私は、これまで、先ほど申し上げました政治信条のもとに、県と市町村とが対等の立場に立った市町村重視の県政の展開を進めてまいりました。今後とも、この考えのもとに、「埼玉の新しい九二(くに)づくり」を進めてまいります。 次に、市町村に対する支援策についてのお尋ねでございますが、県民生活に最も身近な市町村が主役となった地域づくりを進めるために、「くにづくり総合助成制度」などの一層の充実を図り、市町村の支援に努めてまいりたいと存じます。 今後とも、私自ら先頭に立って、地方分権の推進と分権型社会の実現、さらにはまた、市町村の振興に全力を傾注してまいりたいと存じます。 引き続き、関口議員をはじめ県議会の皆様方の力強い御支援、御協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。        〔梅村馨企画財政部長登壇〕 ◎梅村馨企画財政部長 御質問二、「埼玉県情報センター新宿」についてお答えを申し上げます。 このセンターは、百十万人を超える東京への通勤・通学者に対する行政サービスの提供とともに、「彩の国」のPR、イメージアップのための戦略的拠点として構想されたものでございますが、阪神・淡路大震災の教訓から、災害時の対応の機能も併せ持つ施設として、都庁に近い新宿に設置されるものでございます。 埼玉県情報センター新宿は、この施設の機能を最も端的に表している「埼玉県領事館」を愛称として、県民の方々に愛され親しまれる施設を目指していく所存でございます。 具体的には、災害時は、都内と県内を結ぶ情報通信手段を衛星通信回線などを利用して確保し、被災情報や安否情報、帰宅に役立つ交通情報などを収集・提供する拠点となるとともに、平常時は県政の総合案内窓口として、各種の行政サービスを一元的に取り扱うことといたしております。 お話にもございましたように、知事をはじめ関係部局の度重なる要請で、このほど外務省から承認を取り付けました県域を越えてのパスポートの発給事務や、九十二市町村すべての御協力をいただいて実施することになりました住民票事務、また、平成九年四月から実施する看護婦、調理師、理容師などの衛生関係従事者免許事務の取扱いは、いずれも全国初の試みでございます。 このほか、県立スポーツ施設の案内・予約や観光案内など、庁内の広範な部局にわたる十数件の事務につきましても取り扱ってまいりたいと存じます。 今後とも、彩の国の広告塔として、本県の情報を広く内外に発信するとともに、特に、県内の市町村の全国に向けたPR基地としても活用が図られますよう努めてまいりたいと存じます。 また、将来的に複数の設置を行う予定があるのかというお尋ねでございますが、同センターの利用状況や県民ニーズを踏まえまして、今後の検討課題といたしたいと存じます。        〔野沢通泰生活福祉部長登壇〕 ◎野沢通泰生活福祉部長 御質問三、将来を担う児童・生徒の育成についての(一) 子供の健全育成のための施設整備についてお答え申し上げます。 子供を取り巻く環境は大きく変化しておりまして、子供が健やかにたくましく生きる力をはぐくむための環境づくりが重要な課題となっているところでございます。 これまで児童の健全育成につきましては、ハード、ソフトの両面にわたりまして様々な対策を講じてきたところでございますが、近年、都市化の進展に伴いまして、遊び場や活動の場が減少しておりますほか、御指摘のとおり、核家族化、少子化による子供同士や、あるいは世代間の交流の機会が減少しておりまして、特に施設面で、ふれあい体験のできる環境づくりが求められております。 このため、県におきましては、「彩の国エンゼルプラン」の基本方針の一つといたしまして、「子供が生き生きと健やかに育つ環境づくり」を掲げ、児童の健全育成を図るための施設といたしまして、市町村における児童館の整備促進と、ふれあい体験のできる広域的な施設の整備を緊急に取り組む重点施策として位置付けて、その推進に努めているところでございます。 このうち、身近なところで雨天でも利用できる児童館につきましては、これまでに百一館の整備を進めてきたところでございますが、今後とも市町村と連携を図りながら、児童館の整備を着実に促進してまいりたいと存じます。 また、子供たちが遊びや体験を通じて、豊かな感受性や創造性を育てるための広域的なふれあい体験施設につきましては、現在策定中でございます長期ビジョンの試案にも位置付けられておりますが、御提案の自然の中でいろいろなことに挑戦し、心身の豊かさや、あるいはたくましく生きる力をはぐくむための自然を生かした施設につきましても、その中で十分検討してまいりたいと考えております。        〔荒井桂教育長登壇〕 ◎荒井桂教育長 御質問三、将来を担う児童・生徒の育成についての(二) 高校教育改革の今後の方向性についてお答えを申し上げます。 まず、高校教育改革についての国の動向と本県の取組の状況についてでございますが、近年の社会の急速な変化の中で、高等学校への進学率も九六パーセントを超え、高等学校に学ぶ生徒の能力・適性、興味・関心などは極めて多様化いたしております。 国におきましては、このような生徒の多様な個性や社会のニーズに対応するため、さきの第十四期中央教育審議会において、「量的拡大から質的充実へ」、「形式的平等から実質的平等へ」、「偏差値偏重から個性尊重・人間性重視へ」という三つの視点から、学科制度の再編成、新しいタイプの高等学校の奨励、単位制の活用、入学者選抜の改善など、高校教育改革の具体的方策を示しております。 本県におきましては、これまで、国に先駆け、高等学校入学者選抜の改善や伊奈学園総合高校、新座総合技術高校などの新しいタイプの高等学校の開設、学科再編などを推進し、国の今次教育改革に幾多のモデルを提供してきたものと自負いたしております。 このような中で、平成六年度には、教育局内に高校教育改革推進室長の職制を設け、学校間連携の実施や、専攻科、国際学級の設置を推進するとともに、平成七年度に久喜北陽高校、本年度は川越総合高校に総合学科を設置し、浦和北高等学校において全日制の単位制高校をスタートさせるなど、広範多岐にわたる高校教育改革に集中的に取り組んでまいりました。 次に、本県の高等学校教育改革の今後の方向性についてでございますが、引き続き総合学科などの設置を図りますとともに、時代や社会の要請にこたえる新しいタイプの生物・環境系総合高校や芸術系総合高校の検討を進めるなど、二十一世紀を見据えて国際社会に貢献できる人材を育成し、教育先進県、教育立県埼玉の名を高めていけるよう、高校教育改革を一層推進してまいりたいと存じます。 次に、御質問八、地元問題についての(四) 映像による文化振興の拠点整備についてでございますが、お話にございますように、秩父地方には全国に知られた秩父夜祭りはじめ、小鹿野歌舞伎が屋台で演じられる小鹿野祭りなど、内容豊かな祭りや年中行事が数多く伝承され、多くの人々を魅了してまいりました。 こうした祭りや年中行事の映像による記録保存とその活用は、大変大切なことでございますので、これにつきましては、県立民俗文化センターを中心に継続的に実施しているところでございます。 心の豊かさへの志向や国際化が進む中で、地域の伝統文化を住民の誇りとし、あるいは地域への愛着のよりどころとして、ひいては我が国伝統文化への気持ちの高まりとするためには、保存はもとより活用にも力を入れなければならないと存じます。 県教育委員会といたしましては、秩父地域の祭りや年中行事の映像による記録保存と、その活用の更なる充実を図りつつ、御質問の拠点整備につきましては、今後、様々な角度から研究をさせていただきたいと存じます。        〔古橋光弘農林部長登壇〕 ◎古橋光弘農林部長 御質問四、森林の保全と林業振興についてお答えを申し上げます。 まず、(一) 水源かん養機能の維持強化についてでございますが、森林の持つ水源かん養機能が見直されておりますことは、お話にもございましたとおりでございます。 こうした中で、林野庁は「水源の森百選」として、寄居町の「日本水の森」や神泉村の「城峯神の泉水源の森」を選定し、全国に紹介されたところでございます。 県といたしましても、このような水を育む森林の維持強化を目的といたします「百年の森づくり事業」を実施しているところでございます。 今後も、ダム上流の水源かん養保安林を対象として、植栽、保育などの森林整備を行いますほか、森林内の植生や土壌を豊かにするための間伐の実施など、健全な森林の育成に努めてまいりたいと存じます。 次に、(二) 広葉樹の植栽の推進についてでございますが、広葉樹林の中は動物や植物の種類が豊富で優れた自然景観を持ち、レクリエーションの場として利用されるなど、かけがえのない役割を果たしておりますので、県といたしましても、毎年、約三十ヘクタールの広葉樹林を育成してきたところでございます。 今後も、森林所有者や地域の方々の合意を得ながら、さらに、多くの広葉樹の植栽や広葉樹林の整備を取り入れた造林事業を積極的に推進してまいりたいと存じます。 次に、(三) 県産木材の利用促進についてでございますが、県産木材は、価格の低迷に加えまして、森林の所有規模が小さいこと、製材工場が小規模・零細であること、流通が複雑であることなどから、その利用が少ない状況にございます。 県といたしましても、県産木材を利用していくことは、再生産可能な木材資源を有効に活用していくことであり、また、林業、木材産業を活性化させることであると考えております。 平成八年度から、県産木材の利用促進を図りますため、公共施設の内装に県産木材を利用する「彩の国木づかい促進事業」を実施いたしているところでございます。 今後、さらに、知事が特に力を注いでおります森林整備担い手基金の活用によります林業従事者の育成や県産木材の安定供給体制の整備、流通の改善などを図り、より多くの木材が供給できる施策の実現に努力してまいりたいと存じます。 次に、御質問八、地元問題についての(五) 彩の国ふれあい牧場の整備についてでございますが、まず、来場者数につきましては、「ふれあい牧場」は極めて眺望に恵まれた自然の中にありますことから、施設の整備が進むにつれて、来場者も増加の傾向にあります。 また、本年度は子供から大人まで楽しみながら体験し、学ぶことができることをコンセプトとした「(仮称)彩の国みはらし館」が完成しますことから、今後、年間三十万人以上の方々に御来場いただけるものと期待しております。 また、管理運営につきましては、秩父高原牧場の本来業務と関連付けまして、より効果的な管理ができる体制を検討しているところでございます。 次に、売店等関連施設の整備充実についてでございますが、来場者の利便性などを考えますと、その必要性は認められますことから、御提言の趣旨も踏まえまして、積極的に検討してまいりたいと存じます。        〔江田元之労働部長登壇〕 ◎江田元之労働部長 御質問五、高齢者雇用の促進についてお答えを申し上げます。 「超高齢社会」を迎える中で、働く意志と能力を持っている高年齢者の雇用を推進していきますことは、差し迫った重要な課題であると認識しております。このため、高年齢者にかかる雇用就業対策といたしまして、六十五歳までの継続雇用を推進するために、高年齢者に対する職業相談や「継続雇用制度導入奨励金」の支給などを行っているほか、県内十四か所に高年齢者職業相談室を設け、高年齢者の職業紹介機能の充実を図っているところでございます。 また、県立の高等技術専門校におきまして、中高年齢者コースや年齢の上限を設けない生涯コースなどを設定いたしまして、中高年齢者の就業を促進するための職業能力開発を行っているところでございます。 今後の取組といたしまして、今年度から高年齢者の雇用機会の拡大を図るため、就職面接会や講習会等を行う「地域中高年齢者雇用支援事業」をスタートさせたところでございます。 また、高年齢者への臨時・短期的就業機会の提供を事業としておりますシルバー人材センターの充実強化を図るための予算を今議会にお願いをしているところでございます。 高年齢者を取り巻く雇用環境は極めて厳しい状況にございますが、豊かでゆとりある高齢期を過ごせるよう、今後とも雇用・就業の場を確保するとともに、働く喜びや生きがいを見いだすことができるような社会の実現に向けて、きめ細かな対策を積極的に講じてまいりたいと存じます。        〔土居眞衛生部長登壇〕 ◎土居眞衛生部長 御質問六、県立がんセンターの運営についてお答え申し上げます。 まず、外来診療でございますが、県立がんセンターでは、従前から外来に時間予約制を採り入れまして、診療待ち時間の解消やロビーなどの混雑緩和を図っているところでございますけれども、現在、一日平均患者数が約六百人ということで来院しておりまして、御指摘のような状況が起きているところでございます。 このため、検査や投薬、あるいは会計事務をコンピュータで一括処理いたしまして、待ち時間の短縮を図るオーダリングシステムの導入について検討しているところでございまして、また、医薬分業についても、試行的に実施しているところでございます。 次に、入院待機患者の解消につきましては、地域医療機関との連携をよりスムーズに進め、がん医療技術の進歩や県民のがん医療ニーズにも適切にこたえるため、現在建設中の代替病棟を代替機能終了後、新たな病棟として有効に活用していく方向で検討しているところでございます。 いずれにいたしましても、県立がんセンターの外来患者や入院待機患者の増加への抜本的な対応策につきましては、今後、県のがん対策を検討する中で、県立がんセンターの在り方を検討することとしております。 これらを踏まえて、今後、高齢化社会に向かって急増することが予測されますがん需要に十分対応できるがんセンターの整備を図ってまいりたいというふうに考えております。 次に、御質問八、地元問題についての(三) 秩父地域の保健医療体制の整備についてお答え申し上げます。 まず、小規模町村の保健センターの充実についてでございますが、御指摘のとおり、これらの保健センターにおきましては、必ずしも十分に機能しているとは言えない状況でございます。 御指摘のように、地域保健法の全面施行を間近に控えまして、市町村保健センターの役割はますます重要になっていくものと考えております。 県におきましては、個々の町村の保健体制の状況に応じまして、保健対策などの企画立案への協力、保健サービスの技術的支援を行うとともに、保健・医療・福祉の情報の分析・提供、教育研修、人材確保支援などを行い、町村と一体となって保健サービスの総合的な展開を図っていくこととしております。 次に、小規模町村の保健婦確保対策についてでございますが、本年三月末に「埼玉県人材確保支援計画」を策定いたしました。これに基づきまして、保健所、保健婦による技術的支援をはじめといたしまして、保健婦の採用に関する情報の提供、宿泊交流セミナーの開催等、体系的な研修や相互派遣の実施など、町村の人材確保や定着促進、あるいは資質の向上に対して協力をしているところでございます。 また、国に対しましても、市町村が保健婦を確保していくための財源措置の充実につきまして要望しているところでございますが、引き続き強力に要望してまいりたいというふうに考えております。 これからも、小規模町村におきます地域保健対策が円滑に推進できますよう、保健婦の確保対策について積極的に支援していく所存でございます。 次に、寄居こども病院を救急医療機関として整備することについてでございますが、御案内のとおり、地域の実情、あるいは地元の強い御要望がございまして、平成八年四月から、子供を中心とした時間外診療を当面開始したところでございます。 お尋ねの寄居こども病院を救急医療機関として整備することにつきましては、現在の人員・設備で直ちに実施することは困難な状況でございますが、寄居養護学校の児童・生徒の減少や地域の医療事情など、病院を取り巻く状況の変化を踏まえまして、関係町村とも十分に連携を図りながら、寄居こども病院の将来の整備すべき方向について検討していきたいというふうに思います。その中で研究させていただきたいというふうに考えております。        〔小川登美夫商工部長登壇〕 ◎小川登美夫商工部長 御質問七、産業立地政策の新しい展開についてお答えを申し上げます。 県では、これまでも先端技術産業等の誘致に加え、本社等の業務管理機能や外資系企業などにも誘致の対象を広げ、大市場への近接性や豊かな人材、高速交通体系の充実など本県の地域特性を十分生かしながら、知事を先頭といたしまして、東京・大阪の財界、経済界、有力企業に直接働きかけるなど、県を挙げて産業立地の積極的な推進に努めているところでございます。 一方で、企業訪問を通じて明らかになった最近の動向といたしましては、景気低迷や国際化の進展に伴い、既存用地の活用や海外進出を検討する企業が増えてきております。 また、本県への立地意欲に関しましては、情報、出版、食品加工業など、先端技術産業や生活関連産業などに意欲が見られるものの、地価水準が相対的に高いことや、まとまった土地の確保が難しいことなどの指摘もあり、本県の立地優位性は必ずしも楽観できる状況にはないところでございます。 こうしたことから、今後、本県への立地誘導を更に促進していくためには、効果的かつ具体的な方策を検討し、実施していくことが緊急の課題となっていると認識しているところでございます。 そこで、今回の補正予算で「新産業立国推進費」をお願いしておりますが、新たに専門家の意見を聴きながら、従来からの視点にとらわれない幅広い検討を行い、本県の地域特性を生かした実効性のある企業誘致を促進するための新たな産業立地戦略を策定してまいりたいと考えております。 また、来年度以降におきましては、これに基づき関係部局の協力も得ながら、体系的な企業誘致促進策を鋭意実施し、活力と創造性のある新たな産業群の形成を目指して、積極的かつ戦略的に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、御質問八、地元問題についての(二) 秩父地域の観光振興についてでございますが、お話にもありましたように、秩父地域は県内でも有数の彩り豊かな魅力ある観光資源が至るところに点在しております。 そこで、雁坂トンネルの開通を絶好の契機とし、これらの観光資源の魅力を更に高め、ネットワーク化を進めることによって、多様性を生かした個性的な観光地づくりを促進し、県内外からの観光客を地域全体に回遊させることが極めて重要なことと考えております。 そこで、県といたしましては、秩父地域と山梨県の東山梨地域にわたる広域観光政策を展開するため、両県及び関係市町村などで構成する「彩甲斐地域観光振興協議会」を本年六月に設立し、今後、広域観光マップの発行や合同観光物産展の開催などを行い、相互に集客力を高め、両地域の観光振興を図ることとしたところでございます。 また、お話にございましたように、秩父地域が単なる通過地点とならないように、トンネルの開通に先駆けまして、行政と民間が一体となって秩父地域を挙げた広範な取組を早急に開始する必要があると考えております。 このため、民間観光事業者をはじめ地域の各種団体を取り込んだ、「彩甲斐地域観光キャンペーン推進協議会」を設立いたしまして、観光キャンペーン事業や広域観光ルートの設定などに積極的に取り組んでいきたいと考えておりまして、今回、所要の予算をお願いしているところでございます。 さらに、秩父地域における県の観光関連施策を一体的に推進していく必要がございますので、庁内に関係部局からなる「彩甲斐地域観光連絡会議」を設置することといたしております。 今後とも、地元関係者をはじめ、市町村、県関係部局と更に連携を密にしながら、秩父地域の観光振興対策に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。        〔喜多河信介土木部長登壇〕 ◎喜多河信介土木部長 御質問八、地元問題についての(一) 一般国道一四〇号から西秩父地域へのアクセス強化についてお答え申し上げます。 御指摘のとおり、国道一四〇号皆野寄居バイパスと雁坂トンネルや大滝道路の完成により、西秩父地域は両側に広い玄関口が開かれることとなります。 そこで、皆野寄居バイパスからの入口として、(仮称)新皆野橋の事業に着手したところでございます。これに接続する県道秩父児玉線の秩父市小柱地内におきましても整備を行うこととしております。 また、雁坂トンネルや大滝道路の開通に伴う山梨方面からの入口を強化するため、県道皆野両神荒川線の荒川村贄川地内で整備を進めるとともに、この路線の未整備区間につきましても、引き続き事業を進めてまいりたいと考えております。          ---------------- △休憩の宣告 ○福田実副議長 暫時、休憩いたします。午後二時十四分休憩          ----------------午後三時六分再開  出席議員   八十五名   二番   三番   四番   五番   六番   七番   八番   九番   十番   十一番  十二番  十三番   十四番  十五番  十六番  十七番   十九番  二十番  二十一番 二十二番   二十三番 二十四番 二十五番 二十六番   二十七番 二十九番 三十番  三十一番   三十二番 三十三番 三十四番 三十五番   三十六番 三十七番 三十八番 三十九番   四十番  四十一番 四十二番 四十四番   四十五番 四十六番 四十七番 四十八番   四十九番 五十番  五十一番 五十二番   五十三番 五十四番 五十六番 五十七番   五十八番 五十九番 六十番  六十一番   六十二番 六十三番 六十四番 六十六番   六十七番 六十八番 六十九番 七十一番   七十二番 七十三番 七十四番 七十五番   七十六番 七十七番 七十八番 七十九番   八十番  八十一番 八十二番 八十三番   八十四番 八十五番 八十六番 八十八番   八十九番 九十一番 九十二番 九十四番   九十五番  欠席議員   九名   十八番  二十八番 四十三番 五十五番   六十五番 七十番  八十七番 九十番   九十三番  地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(池上) 副知事(中川)   副知事(坂東)  出納長     企画財政部長   総務部長     県民部長    環境部長   生活福祉部長   衛生部長    商工部長   農林部長     労働部長    土木部長   住宅都市部長   公営企業管理者 教育長   人事委員会委員長 警察本部長 △再開の宣告 ○浅古登議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○浅古登議長 質疑質問を続行いたします。 四十一番 丸木清浩議員        〔四十一番 丸木清浩議員登壇〕(拍手起こる) ◆四十一番(丸木清浩議員) 四十一番、自由民主党、丸木清浩であります。 議長のお許しを得て、通告に従い、県政一般について質問をさせていただきます。 いよいよ衆議院が解散され、来るべき二十日の投票日に向かって、騒然とした中で九月定例県議会を迎えています。各政党の主張を見ますと、我が橋本自民党総裁の二十二省庁をおよそ半数に改編するなどをはじめ、すべての政党が行政改革をそれぞれ主張し、まさに行革選挙の様相を呈しています。 土屋知事も再選程ない七月十五日、中川副知事を委員長とする組織改正検討委員会を発足させ、「前例や習慣にとらわれず、今こそ行財政の抜本的な改正に取り組む」、と強い決意を述べられ、翌日、既存事業を大幅に見直し、事業数、予算額ベースで本年度比八〇パーセント以内とするよう指示されたとの報道に接しました。 また、九四年十月の自治省通達、「地方公共団体における行政改革推進のための指針の策定について」の要請によって、埼玉県においても、平成八年三月、「地方分権時代に向けた県政をめざして」という彩の国行政改革大綱が発表されたところであります。 増大していく財政赤字、悪化しつつある貿易収支、相変わらず進む空洞化、将来を担う新しい技術の開発の遅れ、優秀な人材の養成の遅れ、一向に進まない構造改革、官僚の不祥事など、政治不信、行政不信が増幅している中で、現在のひっそく状態を打開すべく、不退転の決意で二期目の最大の目標として行財政改革に取り組む姿勢を示された知事に、心から敬意を表しますとともに、我々議員も、知事をはじめとする執行部とともに、県民のために最大限の協力を惜しんではならないと思うのであります。 行財政改革は、各方面から常に抵抗にあい、国においても三公社の民営化以外、これまで大きな成果を上げていないという困難な課題でありますが、今日のように強い関心を各界が寄せている時期を外しては、成功はおぼつかないものとなるでありましょう。一刻も早く構造改革を含む行財政改革を実現しなければならないのであります。 行政改革は、内部、外部、多くの団体、各方面から常に抵抗にあい、挫折の歴史を歩んでまいりました。これを成し遂げるには、リーダーの強力な指導力と不退転の決意が不可欠であります。知事の決意をお伺いをいたします。 このたびの行革を絵に描いた餅にしてはなりません。具体的にして実効性のある将来の展望につながるものでなくてはなりません。 埼玉県では、地域の発展なしには県の発展はないという、二期目を迎えた知事のかねてからの地方分権への熱意と、埼玉独自の発展のための組織づくりとして、組織改正検討委員会を発足いたしましたが、その基本的な考え方、目標、目標年次とその進め方について、委員長であります中川副知事にお伺いをいたします。 行革の歴史を顧みますと、八〇年代に自治省は、「地方公共団体における行政改革推進の方策の策定について」によりまして、地方行革大綱の推進を図ったことがあります。当時の地方行革は、臨調行革の重要な一環として位置付けられ、「増税なき財政再建」という方針によって規定されていました。 高度成長末期に起きた石油ショックとその後の不況に対応するため、いかに国家支出を削減するかが最大の課題でありました。 戦後の福祉国家政策の発展によって肥大した行財政は、機関委任事務の増大と補助金行政の拡大によって、結果として、地方行財政を拡大させたのであります。 当時の地方行革は、国から自治体への資金の流れを抑制することが主眼で、補助金の一般財源化や自主財源の確保といった地方分権確立の視点はありませんでした。 地方行政の当面の課題は、「既存の組織、施策を思い切って見直し、簡素にして効率的な行政を実現すること」とされ、地方分権の推進を基本的な方向として所要の改革を進めるべきであるとうたったものの、国は地方分権を推進するような施策を示さず、地方分権化による行政改革の視点はなかったのであります。 これに対して、九〇年代の地方行革は、御案内のとおり、背景が大きく様変わりをいたしました。このたびは、地方行革の推進と並行をして地方分権改革が推進されようとしているのであります。 九五年五月には地方分権推進法が制定され、地方分権推進委員会において、現在、五百六十一あると言われ、地方の仕事の三分の一を占めている機関委任事務制度の廃止が提案されるなど、国と地方の関係を大きく変えることになる改革案が検討されているのであります。 今回の地方行政改革は、地方分権推進と一体化し、来るべき地方分権の時代に備えて、地方自治体も分権の受皿としての体力増強を迫られているのであります。 国は、「地方分権を推進し、地方の自主性・自立性を強化する方向で所要の改革を進める」、自治体は「行財政の効率化や事務事業の見直しについて不断の努力を傾注し、その役割を的確に果たしていく」と、それぞれの課題を明確にし、組織・機構については、時代に即応したという表現で、高齢化、情報化、国際化、生活・環境問題への関心の高まりといった社会経済情勢の変化への対応が強調されているのであります。 地方分権の推進は、国から地方への権限移譲のみならず、自治体内部における上位の行政機関から下位の行政機関への権限移譲も不可欠であります。 これまでのピラミッド的な行政機構がOA化の推進とあいまってフラット化し、下位レベルの職員への権限移譲も進み、それと並行して自治体の政策形成機能の充実のため、職員の能力開発が今後の大きな課題となります。 今回の行革は、地方分権の受皿づくりとしての役割を担っておりますので、もっぱら財政削減の観点からの減量化のみであってはなりません。 地方分権改革を通じて、自治体の総合的・計画的行政を確立・充実するためには、適材・適所と人材育成を図ることが地方行革の大きな目標になっているのであります。 これまでのように、横並び意識のまま、ピラミッド型の官僚組織の中でルーティンワークをこなすということでは、地方分権時代にふさわしい公務員とは言えません。職員の政策形成能力の開発、創造的能力を有する意欲ある人材育成の在り方を打ち出さなければならないのであります。 これからの職員像は、実務能力を持つ実務家であると同時に、問題を発見し、政策提言でき、納税者の立場で自らを批判する能力を持ち合わせる人であります。更に付け加えるならば、幾つかの分野に関して専門的な能力を有するスペシャリストが望まれるのであります。 明日の埼玉を築く人材を育成するために、十年、十五年後を見据えた政策開発・人材育成に積極的に投資を行い、人材育成のプログラムを持たなければならないと思います。 従来の人材育成の観点は、事業の執行プロ、事業マンづくりが中心だったと思います。従来の研修の重要性は変わるものではありませんが、更に政策マンを育成するためには、考える研修、問題を発見し、分析し、政策提案のできる能力の開発を基本にした研修が必要になります。 特に、若い職員については、国、市町村、民間との交流を含め、伸びやかに仕事ができるように個性を生かした組織運営、人事管理を実践し、組織に入った人材に切磋琢磨の機会を提供し、自由な政策提言ができる環境を用意することが必要であります。 人事についても思い切ったことを言わせてもらえば、民間での経験のある職員を積極的に採用するとか、必要に応じて民間人をラインの管理職に採用して、組織とマンパワーの活性化に意を用いることも必要なのではないでしょうか。 県は、政策自治体へ脱皮することが求められています。そのために、創造的にして意欲のある職員を採用しなければなりません。社会経験豊かな人材を中途採用することなどを含め、どのような人材を採用しようとするのか、また、その採用方法に工夫はあるのか、人事委員会委員長に御見解をお伺いをいたします。 採用後の職員の政策提案能力の育成のための研修プログラムが必要であると思います。民間や他の自治体、国との人事交流を含め、自己開発できるチャンスを与える人事異動や、キャリアディベロップメント・プログラムの確立、先ほど申し上げました民間からの中途採用など、多彩な方法を講じる必要があると思いますが、総務部長の御見解をお伺いをいたします。 民営化と業務委託について申し上げます。 地方行政の中で予算や条例の策定などの政策決定にかかわるもの以外の公的経済活動は、すべて民営化の対象になると思います。サービスに対する対価が徴収可能なものはすべて民営化が可能であり、不可能だと思われる水道事業でさえ、イギリスでは民営化が進められていると伺っております。 強い保護と規制があるため、自由な経済活動が阻害される可能性の高いすべての地方公営企業は民営化の検討対象にすべきであります。また、サービスを受ける者が特定できる場合には、できる限り受益者がそのコストを負担すべきであり、建設費は税金で賄い、運営費は利用者の負担とすべきであります。 受益者負担の費用については、算定基準を明確にし、他の自治体と横並びの意識は排除すべきであります。また、建設費と運営費を分離することができるということは、民間委託が可能だということでもあります。そのようなことにより不利益を被る低所得者や高齢者などは、軽減・無料化をすればよいのであります。 対価が徴収できない分野については、企業的に経営することは困難であるから、民営化は不可能でありますが、民間委託は可能であります。従来、民間委託は、警備、窓口、清掃、電算など、どちらかといえば末端業務でありましたが、自治体業務で民間委託の可能のものはほかに幾らでもあると思うのであります。民間では、株式会社総務部という会社もあり、総務関係業務まで委託することもあるとも聞くぐらいであります。 公共サービスは信頼性が高く、民間サービスは信頼性が低いという常識は幻想であります。直営事業と民間委託事業を比較すると、五割から九割もコストが削減になるという話もあります。 一方、高齢化、少子化など、行政サービスへのニーズは拡大するので、不必要な業務は徹底的に民間に委託したり、廃止し、必要なところに人を配置すべきであります。しかしながら、昔から身内のことを身内が判断し、評価することは、我が国では伝統的にも困難でありますので、住民サービスの低下につながるおそれがないかを含めて、場合によっては行政診断を民間人に任せてみることも必要でありましょう。いずれにしても、徹底した業務分析と民間委託と民営化を図るべきであります。 公営企業、公社事業、直営事業など多くの業務は、民営化、民間委託の対象になる可能性があります。コスト意識を持った行政運営が必要と思いますが、総務部長の御見解をお伺いいたします。 埼玉県の職員は、人件費比率においても、県民負担率においても、四十七都道府県の中で良好な位置付けにあり、よくその職務を遂行しているとはいえ、その給与は県民の負担により賄われているのであります。 現在の不況に苦しむ民間の企業は、借入金の返済と人件費削減に懸命に取り組んでおるのでありますが、借金を簡単に減らすわけにはいかない自治体の場合、人件費の削減は民間企業以上に急務であり、行政需要の増大する中にあっても、民営化、民間委託などを導入し、厳しい職員数の見直しはあってしかるべきであります。 将来、行政需要の増大が顕著になり、強化しなければならない場合は増員を図ればよく、常にその時代の要請にこたえる弾力的な職員数管理を実践すべきであります。 懸命に努力している職員には申し訳ないことではありますが、現在の経済状況から見て、行政需要が増大する中にあっても、職員数削減は何としても県民に示さなければならないことと思いますが、総務部長の御見解をお伺いいたします。 新年度予算においては、既存事業を徹底的に見直せとの指示があったと伺っておりますが、その中で、是非とも自治体業務の見直しとともに「行政対象の見直し」を行っていただき、個人や地域の責任に移すべきものは移す必要があります。 地方自治体は、戦後一貫して行政対象の拡大に努めてまいりました。時には、住民のニーズを先取りして行政需要を掘り起こすことにより、行政対象の拡大を図ってまいりましたが、財源がひっ迫してくるこれからは、その状況を住民や議会に十分に説明をし、従来から行政の責任分野とされていたものを思い切って見直し、個人や地域社会に移す必要があります。 行政対象の見直しは、具体的なケースになると、不利益を被る住民から強い反対が出るでしょうが、反対を恐れていては行政改革はできないのであります。そのために徹底した行政の効率化、行政がなすべきことと民間がなすべきこととの線引きの再検討、行政の中での役割分担の見直しと線引きの見直しをしなければなりません。 東京都は、六月にパンフレットによって財政緊急事態宣言を発表されたとのことですが、場合によっては、財源の理由からやむを得ないことを住民に知ってもらうことが特に大切であり、議員も協力を惜しんではならないと思うのであります。 行政対象の見直し、行政の中の役割分担の線引きの見直しについて、総務部長の御見解をお伺いいたします。 組織・機構については、国の機構の再編成が地方自治体に影響を及ぼすことは、疑いのないところでありますが、中央省庁の再編とリンクしなくとも、埼玉流の埼玉県民に最も奉仕できる機構をスクラップ・アンド・ビルドを積極的に徹底的に行い整備すべきであります。 今後の自治体は財政ひっ迫の中で、政策自治体として脱皮していくことを求められており、地方分権の受皿として総合的・計画的行政を実現するため、これからは特に今まで以上に企画が重視されることになります。 政策の策定、事業化に当たっては、企画と財政は互いに切磋琢磨することが必要不可欠であり、より良いものを生むためにも両者は分離することが望ましく、企画と財政の対立を調整する必要が生じた場合には、知事の直属の部署で行えばよいと愚考するものであります。 また、昨年の神戸の大震災を契機として、危機管理の重要性が認識されたところでありますが、最近の堺市のO-157事件や宮城県の地震においても混乱があったように見受けられます。ボトムアップ型の剛構造組織とともに、臨時的に強力的なリーダーシップを緊急に発揮できるトップダウン型の柔構造組織を災害時のみならず、他の緊急事態にも備えるようにすべきであります。 これからの組織・機構の中での企画と財政の関係、災害時も含め、あらゆる緊急事態に対する組織の在り方について御見解を総務部長にお伺いをいたします。 地方の行政改革は、国の行政改革と地方分権の進め方と大いに関係はありますが、将来の埼玉県の発展にとって不可避のことであり、独自の埼玉流の行財政を速やかに実現し、全国知事会の次期会長候補になられている知事としても、他の自治体の範となり、埼玉の明るい未来を描くことができるように願い、県民の一人として思いつくままに述べさせていただきました。 本年は、我が国の感染症にとって忘れ得ぬ年になりました。公衆衛生も感染症対策も万全であったはずの先進国日本に対して、O-157があたかも黒船来航時のごとく襲い、国も地方自治体も総パニックの様相を呈し、感染症の恐ろしさを強く印象付けた年であります。 WHOの九六年の年次報告によりますと、九五年に全世界で約五千二百万人が死亡、その三分の一に当たる約千七百万人が感染症で命を落としました。数年前までは、多くの感染症は抗生物質などで容易に克服できると考えられていましたが、そんな楽観的なことは現実ではなくなりました。一度は制圧されたかに思えたマラリアや結核が世界各地でカムバックしつつあり、エイズも衰えを見せず、致死率が非常に高いエボラ出血熱など、治療法も分からないような新たな感染症が、過去に例のない割合で続々と出現しているのであります。 死亡者が最も多いのは、肺炎など呼吸器感染症の四百四十万人、次に多いのは結核と下痢で、それぞれ三百万人、下痢にはO-157も含まれておるのであります。更にマラリアで二百万人が、B型肝炎とはしか、エイズでも百万人以上が死亡しているのであります。 特に、薬害エイズ事件は薬害であるとともに、感染症予防対策の手落ちであり、非加熱製剤をめぐる問題は医療に対する信頼を著しく損ない、医療関係者としても誠に遺憾に思うものであります。 薬という新たな感染経路を見逃した責任は大きく、感染者、発病者に対しては、公的に全面的にその対応を図らなければなりません。 そのほか、最近ではゲリラ的な感染症が目立ち、越生町の水道水を感染経路としたクリプトスポリジウム原虫、東京や埼玉県庁で発見されたレジオネラ菌など、この二十年間に少なくとも三十の新たなる感染症が発見され、その多くは治療法が確立しておりません。O-157、狂牛病、エイズ、レジオネラ菌は、その仲間であります。 新しい感染症は、交通運輸の発達による人の生活圏の広がりによって、感染者や食品によって世界各地に運ばれ拡大されるようになりました。地球の温暖化がこれに拍車を掛けているとも言われています。また、抗生物質に対する耐性能力も獲得した病原体が増加していることも憂慮すべき事態であります。 厚生省もこの事態を重く見て、伝染病予防法を百年ぶりに改正し、新たなる感染症対策の検討を始め、国立予防衛生研究所に感染症センターを新設して、情報の一元的管理を整えると伺っています。 埼玉県もO-157に対して、県、医師会でそれぞれ組織をつくり、その対応を図っており、クリプトスポリジウムに対しても、速やかに知事をはじめ執行部において懇切な諸般の対応を賜り、越生町の町長をはじめ町を挙げての努力もあいまって、最善の処置ができたものと確信をしております。地域の一員として、知事をはじめ執行部に深く感謝するところであります。 前述のように、多くの未知の感染症が各地で多発しております。七百万人の大県である埼玉県なればこそ、新たな感染症に対処する行政組織の体制を強化するとともに、それに対応するための情報、それぞれの感染症の県内外の専門家などのデータベースを備え、数少なくなっている専門家を常置し、迅速に適切に助言をすることなど、広く県内の感染症対策を推進する、できれば入院機能を持ち合わせた感染症センター(仮称)を設置すべきであると信ずるものであります。 昨年も同趣旨の質問をいたしましたが、今年の感染症の新たなる展開の中でどのようにお考えになるのか、衛生部長の御見解をお伺いをいたします。 盛岡で二百人を超す発生が報道されていますが、O-157も秋を迎え終息しつつあります。埼玉県では幸いにして大量発生は免れましたが、この事件を通して、従来、安全と思われ、信頼していた生活の再点検を私たちは教えられたのであります。 特に、伝染病予防法の限定適用を受けて、健康保菌者の就業制限、登校の問題を含め、職場、学校でいじめや解雇など、種々の問題が生じているとも聞くところでありますが、人権、心理面を含めて、O-157に対する安全対策についての総括を教育長並びに衛生部長にお伺いをいたします。 衛生部長におかれましては、クリプトスポリジウム原虫についても、同趣旨で併せて御答弁いただきたいと存じます。 エイズは、一向にその増勢はおさまらず、非加熱製剤による第四ルートという新たなる感染ルートも明らかになるなど、次第に二十一世紀の人類の生命を脅かす最も危険な感染症になりつつあります。財政ひっ迫の折にあっても、最優先で感染者対策、発病者対策、予防対策に全力を傾ける必要があります。 特に、受入れ医療機関の整備が急務であり、埼玉県においても、拠点病院、協力病院の整備が進んでいると伺っていますが、エイズの受入れに当たりましては、他の患者や医療関係者への感染を防止するためにも、専用の医療器械の設置、多く必要とする医療用消耗品、医療関係者の検査、日本では確立していませんが、フランスでは確立されていると言われておりますが、その補償、もし医療関係者が感染をした場合の補償など多額の経費を要することもあり、拠点病院、協力病院に対する支援が必要不可欠であります。 また、エイズに対しては、医療関係者のみでは十分な対応は不可能であり、幅広く社会全体からの支援体制の整備が必要であります。 最近は、有り難いことに、エイズに対するボランティアが増えておりますが、財政的にもその活動を維持できないとも伺っているところであります。他の疾病と異なり、細かいところまで配慮することがエイズ対策には必要なのであります。衛生部長の御見解をお伺いをいたします。 埼玉の百年の大計として、南においては大宮の新都心、サッカー場建設が進められ、西においては、知事の深い御理解と英断により、埼玉の百年の西の大計であります「さくらの郷」の建設計画が二〇〇〇年の一部開園に向けて進められています。この事業は、地元越生町はもとより、近隣市町村の地域振興と活性化の大きなインパクトになるものと確信をしております。 特に、歴史的にも地形的にも、JR八高線、県道飯能寄居線を交通アクセスとして利用している地域に、多大の好影響を与えるものと思います。この路線は、かつて生糸の輸出華やかなりし時代は、日本のシルクロードとも言われ、産業や観光に大いに貢献をいたしました。 平成七年度、商工部の彩の国産業振興戦略によりますと、今後の展開の方向の中で、「観光資源と共に活きる」、「地場産品と共に活きる」、「地域と共に活きる」とあります。 この道路の沿線には花の観光地も多く、また、ミカンの産地の北限である寄居の風布ミカン、越生の梅、越生のユズは伝統的であり、最近はリンゴの栽培も始まっているようであります。入間狭山の茶を含めて、数々の農業的な展開とともに、産業発展の商業的な展開が大きく期待されているのであります。 こうした状況を考えますと、単なる県道飯能寄居線だけではなく、埼玉の「フルーツライン」とも言える「さくらの郷」を中心に「はなの街道」として、関東平野の視点から見て、群馬県から東京の多摩に至るこの路線の地域の発展を期待するものであります。 JR八高線沿線に係る産業的な展開と観光的な展開について、中川副知事の御見解をお伺いをいたします。 「さくらの郷」の事業の実施に当たり、農林部にさくらの郷整備推進室を設置していただき、全庁的に取り組んでいただいておりますことを心から感謝するものであります。 百十ヘクタールの直接の事業区域に接する地域がありますが、歴史的にも、地形的にも、交通アクセスとしても、毛呂山は無視できない地域であり、昔から親しまれているハイキングコースとしても、越生地域と一体的に扱われております。アプローチ道路としても、越生町方面とともに、毛呂山町を経て東武東上線東毛呂駅に至る道路が必要であり、中・長期的に見れば、越生町の梅の地域である梅園地域と毛呂の鎌北湖とを結び、さくらの郷と一体化した開発も可能となり、アクセス道路へも接続可能な整備可能な林道もあるのであります。これらを考慮の上、事業区域を考えるべきであります。 このようなビッグプロジェクトを考えるとき、道路をとってみても、建設省所管の町道、県道、農林水産省所管の林道、農道があり、これらの道路網は計画から事業実施に至るまで、所管する省庁の違いから、県庁内の各部にわたり、予算的にも時間的にも同時進行ができないために、本来の目的達成にやっと間に合うというようなこともままあると伺っております。 さくらの郷事業においては、そのようなことのないよう万全の体制をつくり、当たっていただきたいと思うのであります。 さくらの郷・「彩花苑」は、四年後の二〇〇〇年には一部開園と伺っておりますが、今後のスケジュールと現在までの進ちょく状況、基本的な区域の設定、農林部以外の関係部との体制づくりについて、基本計画を立案されている農林部長にお伺いをいたします。 現在、梅の開花期には越生に十万人の観光客が訪れます。最盛期の土曜日、日曜日は、飯能寄居線をはじめ周辺の道路がことごとく渋滞し、住民の日常生活に支障を来す状況にあります。さくらの郷が開園をすると、極めて多くの観光客が訪れる計画であり、アクセス道路の整備は急務であります。 新飯能寄居線につきましては、越生工区については既に供用しており、岩井工区についても土地の買収も進み、葛貫工区については、地域への説明が行われたと伺っております。少なくとも旧道に接するまでの毛呂山町内の整備は観光の時期のみならず、平時の渋滞解消のために急務と考えます。毛呂山町内の事業の進ちょく状況と今後の見通しについて、土木部長にお伺いをいたします。 本年三月、首都圏中央自動車連絡道も一部開通し、それに伴い、鶴ケ島インターチェンジから国道四〇七号までの一キロメートル竣工した新川越越生線については、さくらの郷のアクセス道路としても、また、県西部の横断的幹線道路としても、その整備を関係市町等しく熱望し、建設促進期成同盟会を設置し、県議会においても、関係地域議員全員の参加によりまして建設促進議員連盟を結成していただき、実現を期しているところであります。 都市計画決定がなされていない区間について、それぞれの区間の状況と今後の都市計画決定への見通しと進め方について、土木部長にお伺いをいたします。 以上をもちまして、私の県政に対する一般質問を終わらせていただきますが、今日は、思いもよらず多くの皆様に御来場いただきまして大変恐縮をしております。そのへんを踏まえて、県の執行部の皆様につきましては、誠意のある御答弁を期待をいたしまして終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○浅古登議長 四十一番 丸木清浩議員の質問に対する答弁を求めます。        〔土屋義彦知事登壇〕 ◎土屋義彦知事 丸木清浩議員の私に対する御質問にお答えを申し上げます。 行政改革についてのお尋ねのうち、行政改革に取り組む知事の決意についてでございますが、申し上げるまでもなく、我が国おいては、先行きが不透明な経済状況や財政赤字の深刻化、少子・高齢化の急速な進展、産業の空洞化など、社会経済を取り巻く環境は一段と厳しくなっております。 申し上げるまでもなく、行政改革は今や避けて通れない最重要課題となっております。また、地方公共団体においても、現下の厳しい財政状況の中にあって、住民の多様なニーズに即応し、活力に満ちた魅力ある地域社会を築いていくために、抜本的な行政改革を進めていくことが必要でございます。 先ほど御指摘のとおり、行政改革は常に各方面から強い抵抗を受け、その実現には困難が伴うものでございますが、改革を進めるには、まさにリーダーの断固たる決意と強力な指導力が必要であるという御意見には全く同感であります。 私は、二期目のスタートに当たり、行政改革を県政の重要な課題として取り上げ、組織の改正や事務事業の見直しに積極的に取り組むよう指示をいたしましたが、この際、職員に対しましては、民間が血のにじむような努力をしていることを十分認識し、「総論賛成・各論反対」にならずに、前向きに取り組むよう強く指示をいたしたところでございます。 私の意図しております行政改革は、よくお聞き取りいただきたいんでございますが、日ごろから申し上げておりますように、単に職員の人数を減らすとか、組織を小さくするということではなくいたしまして、時代の変化に対応した簡素で効率的な組織づくりを進めることでございます。 埼玉県の職員一人当たりの人口の負担率は七百人を超え、全国二位であります。今後とも着実な人口増加が見込まれる中、非常に職員の負担が大きい状況にあります。また、現在の組織は昭和五十四年以来続いているものであるところから、県民の行政に対する要求は複雑多様化するなど、大きく変化してきております。 さらに、地方分権の進展により、権限や事務が移譲されるなど、増大する行政需要に対応するための新しい見地からの組織づくりが求められているところでございます。 私は、二十一世紀に向け、「環境優先・生活重視」、「埼玉の新しい九二(くに)づくり」の基本理念のもとに、「豊かな彩の国づくり」を進めるため、県民の視点に立ち、県政全般にわたった新たなシステムの構築に向かって、持てる力のすべてを投入し、その実現に取り組んでまいりたいと考えております。 県議会の皆様方の御支援、御協力を賜りますよう心からお願いいたします。        〔中川浩明副知事登壇〕 ◎中川浩明副知事 御質問一、行政改革についての(二) 組織改正検討委員会についてお答えを申し上げます。 ただ今、知事からお答えをいたしましたように、二十一世紀を目前に控え、県行政を取り巻く環境は、社会経済など様々な分野で時代の大きな転換期にございます。この大きな転換期を乗り切り、来るべき新しい時代を切り開いていくためには、地方分権の時代にふさわしい地域の実情に応じた施策展開を可能とする体制を整備することが、現下の課題であると認識をしているところでございます。 そのため、本年七月に知事の強い指示を受けまして、組織改正検討委員会を設置し、鋭意検討に取りかかっているところでございます。 今回の組織の検討は、二十一世紀に向けて豊かな埼玉をつくるため、今まで以上に「環境優先・生活重視」「埼玉の新しい九二(くに)づくり」の県政を進める体制を目標に検討をいたしているところでございます。 検討に当たりましての基本的考え方といたしましては、組織の統廃合を進め、簡素で効率的な組織の整備を図り、同時に政策の企画立案機能の強化、市町村支援機能の強化、「環境優先・生活重視」の推進体制の充実などを図ることといたしております。 既に何回かの委員会におきまして、望ましい組織体制の在り方について鋭意、検討をいたしておりますが、今後、更に検討を深めまして、来年四月には、県民の立場に立った行政が展開できる体制となるよう見直しを進めてまいりたいと存じます。 次に、御質問五、JR八高線沿線の産業的及び観光的な展開についてでございますが、お話にもございましたように、JR八高線及び県道飯能寄居線の沿線地域は、古くは絹の道として栄え、高崎から八王子までの沿線には多くの「機屋」が存在し、産業の道として発展してまいったところでございます。 また、越生の黒山三滝、梅林、毛呂山の鎌北湖、日高の巾着田など、小規模ながらも魅力的な景勝地が数多く存在をいたしております。 さらに、この地域は現在でも、和紙、建具、絹織物などの特色ある地場産業がございますほか、梅、ユズ、お茶など、丘陵地域の特性を生かした農産物も数多く生産をされているところでございます。 このように、この地域は首都圏の憩いの場として、県内でも有数の観光レクリエーション地域となっておりますが、核となる施設に欠けていた状況にございます。このような中で、今後、森林の保全、活用、さくら文化を通じた国際交流の促進などを目指した「さくらの郷」が整備され、中核的な観光拠点が形成されますと、道路交通網の整備などとあいまって、北関東からも観光客を集客できる、首都圏でも有数の観光レクリエーション地域となることが大いに期待されるところでございます。 そこで、県といたしましては、この地域における良好な自然・歴史・文化などの観光資源を広域的視点に立ってネットワーク化をいたしますとともに、立地を生かした特色ある農業、あるいは地場産業を振興し、地域の付加価値を高め、より多くの観光客を誘致できるよう関係市町村と連携をしながら、県の観光関連施策を積極的に展開し、地域の活性化につなげてまいりたいと存じているところでございます。        〔新井修市人事委員会委員長登壇〕 ◎新井修市人事委員会委員長 御質問一、行政改革についての(三) 政策自治体への脱皮についてのア 創造的で意欲のある職員の採用についてお答え申し上げます。 県行政を取り巻く行政環境の変化に的確に対応するとともに、地方分権を進める上で、御指摘のとおり、創造的能力を有する意欲ある人材を採用し、育成し、政策形成機能の充実を図っていくことは、ますます重要であると考えております。 人事委員会といたしましては、基礎的知識や人間性に加え、柔軟な思考と幅広い視野を持ち、現代の変化や県民ニーズに積極的に取り組む先見性と、創造力豊かなチャレンジ精神のある多様な人材の採用に意を用いているところでございます。 特に、人物試験におきましては、集団討論とともに、個別面接において、本年度から受験者が自己PRができる「面接カード」を導入いたしまして、積極的で行動力のある人材を発掘できる採用試験の改善に努めているところでございます。 お話にございました、いわゆる「中途採用」による人材の確保につきましては、一部専門職種で実施しているところではございますが、今後におきましても、任命権者と十分連携を図りながら、社会経験豊かで創造的な意欲のある人材の受入れ方法等を含めまして、多様な人材を採用できますよう、採用試験制度の研究に一層努めてまいりたいと存じます。        〔武田茂夫総務部長登壇〕 ◎武田茂夫総務部長 御質問一、行政改革についてのうち、私に対する御質問にお答えを申し上げます。 まず、(三) 政策自治体への脱皮についてのイ 職員の政策提案能力育成のための研修プログラムについてでございますが、県におきましては、近年、職員の政策提案能力向上のため、研修体系の中に政策形成に関する科目を導入するとともに、民間企業や大学への派遣研修などを積極的に実施しているところでございます。 また、住民と最も身近な地方行政や全国的な政策の調査・立案を経験させるため、市町村や国との人事交流を行ってきております。 さらに、人事異動に当たりましても、本庁・出先機関、部局間及び任命権者相互間の人事交流を積極的に推進するとともに、各職場においては、個性を生かし、自由に議論できる職場づくりに努めているところでございます。 御指摘にございましたように、これからの地方分権の時代に向けて、自ら政策を立案し、実行できる創造性と活力に満ちた人材の育成確保は、ますます重要なことでございますので、自治研修センターにおける研修体系の充実をはじめ、キャリアディベロップメント・プログラムの確立、さらには民間からの人材の登用などにつきまして積極的に検討し、多様化する県政の課題に的確、果敢に対応できる人的体制の確立に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、(四) 公営企業等の民営化、民間委託についてでございますが、県の行う行政サービスにつきましては、社会経済情勢や県民意識の変化に対応し、様々な分野でその充実が図られてまいりました。 しかしながら、少子・高齢社会や環境問題への適切な対応など、行政需要はますます増大が予想されますので、これまでより一層効率的な行政運営が求められているところでございます。 県では、昨年五月に民間企業の経験者二名を行政監察員として採用し、民間の経営感覚を生かして、県民サービスや業務の効率化につきまして、県庁の各課や出先機関の行政監察を行ってきておりますが、その監察結果報告の中でも、県行政全般にわたる効率的な事務処理の推進や職員のコスト意識の徹底が提言されたところでございます。 今後、県の業務につきましても更に分析を行い、公共性も留意しながら、経費の節減、事務処理の迅速化、効率化、行政サービスの質的向上などが図れるものにつきましては、民営化や民間委託等を検討してまいりたいと存じます。 併せまして、厳しい財政環境の中で、コスト意識を持った行政運営は極めて大切なことと存じますので、職員にその意識の徹底を図るよう努めてまいります。 次に、(五) 県職員数の削減についてでございますが、これまでの急速な人口の増加などに伴う行政需要の増加にもかかわらず、県職員数につきましては、厳しく抑制してきたところでございまして、新たな行政需要に対しましては、原則として内部の再配置により対応してまいりました。 平成六年十一月の組織検討委員会の検討結果を受け、平成七年度及び平成八年度には、本庁で三課室、出先機関で四か所の統廃合などの見直しを行い、その二年間で約三百人の職員数の削減を実施し、新たな行政需要に再配置を行いまして、県民サービスの向上に努めてきたところでございます。 今後におきましても、行政需要の増加に弾力的に対応していくため、職員定数の見直しを行い、適正な定数管理に努めてまいりたいと存じます。 次に、(六) 行政対象等の見直しについてでございますが、生活の豊かさや質の向上が求められるにつれ、生活環境分野などでの行政の活動領域が拡大いたしますとともに、本格的な高齢社会の到来を控え、行政の果たすべき役割はますます増大する方向にあります。 限られた財源と職員数により、これらの新たな行政需要に的確に対応してまいりますためには、お話のとおり、常に行政対象等の見直しを行っていく必要があるものでございます。 最近では、福祉や環境分野でのボランティアや非営利団体等の活動の活発化により、行政と個人などの民間とが協働して公共目的を達成していく分野も拡大してきております。 今後、多様な行政需要に対応いたしますために、公共性に十分配慮しながら、個人や地域社会などを含めました民間に期待する役割につきまして検討するなどして、行政対象の見直しを進めてまいりたいと存じます。 次に、(七) 組織・機構についてのうち、企画と財政の関係についてでございますが、企画と財政の連動型組織であります企画財政部につきましては、財政に裏打ちされた実効性の高い計画づくりを進めるため、昭和四十八年に設置したものでございます。 来るべき地方分権の時代にあっては、お話にありましたように、自治体の政策形成機能を充実いたしますことが重要な課題でございますので、現在、組織改正検討委員会におきまして、政策自治体への脱皮を視野に入れた企画と財政の関係について、鋭意検討しているところでございます。 次に、災害時も含め、あらゆる緊急事態に対する組織の在り方についてでございますが、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件などをきっかけといたしまして、危機管理体制の整備の必要性が高まり、緊急事態において迅速に対応できる体制の整備が緊要な課題とされているところでございます。 県におきましては、平成八年四月一日の組織改正において地震対策課を新設し、県民の生命、財産にかかわる大規模な事案が発生した場合などに迅速かつ的確に状況を把握し、適切な対応がとれますよう組織の強化を図ったところでございます。 さらに、今回のO-157による食中毒の発生に対しましても、衛生部を中心に関係部を挙げて、迅速で柔軟な対応を図ったところでございます。 今後とも、埼玉県内に発生した災害、その他の重大な事件、事象に対し、緊急にかつ適切に対応できる全庁的な体制の整備に努めてまいりたいと存じます。        〔土居眞衛生部長登壇〕 ◎土居眞衛生部長 御質問二、感染症に対する体制強化と感染症センター(仮称)の設置についてお答え申し上げます。 本県におきましても、クリプトスポリジウムによる集団下痢症や病原性大腸菌O-157による多数の患者が発生したところでございます。 御指摘のとおり、急速な国際化の進展に伴いまして、予見困難な感染症が発生する危険性があり、このような感染症の新たな展開の中で、危機管理を含みます感染症対策の充実強化は重要な課題というふうに認識しております。 このため、感染症に関する情報の収集、県内外の専門研究者などのデータベース、あるいは医療機関との緊密な連携等、平常時から患者発生時に的確に対応するための行政組織の整備が緊急の課題というふうに考えておりまして、その在り方について、現在検討しているところでございます。 また、御提案の入院機能を併せ持つ感染症センターの在り方についてでございますが、国におきまして、平成九年度に感染症センターを整備すると聞いておりまして、こうした動向も踏まえながら、今後、引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。 次に、御質問三、O-157等に対する安全対策についてでございますが、県といたしましては、パンフレットや電話相談などを通じまして、県民に対してO-157に関する様々な情報を提供し、また、患者の発生時には、保健所が中心となって原因食品の追及や二次感染の防止に努めるとともに、関係の医療機関と連携を図りつつ、集団発生時の体制の整備に努めてまいったところでございます。 現在のところ、O-157につきましては、その感染ルートが明らかでなく、今後も集団発生の可能性も否定できない状況にかんがみまして、引き続きO-157予防対策チームを存続するとともに、医師を対象とした診断治療の研修や、あるいはサーベランスの強化に関する費用を九月補正予算に計上させていただいたところでございます。 今後とも、人権に配慮した正しい知識の普及啓発を通じて、予防活動を積極的に展開してまいりたいと存じます。 次に、クリプトスポリジウムに対する安全対策でございますが、今年の六月初旬に越生町で発生いたしました水道水中のクリプトスポリジウムによる集団下痢症につきましては、町当局並びに住民の方々の積極的な御協力によりまして、早急に安全な水の供給が可能となり、七月の十九日に安全宣言に至ったところでございます。 また、今回の事件を教訓といたしまして、国におきましては、専門家による「クリプトスポリジウム緊急対策検討会」を設置いたしまして、水道における暫定対策指針として取りまとめて、全国の水道事業の安全性が確保されるということになったところでございます。 県におきましては、汚染ルートの解明や越生町水道の本格的な復旧など残された課題もございますので、今後も引き続き、町と連携いたしまして対処してまいりたいと存じます。 次に、御質問四、エイズ対策についてでございますが、県といたしましては、拠点病院及び診療協力病院を指定いたしまして、医療機関名を公表するとともに、これらの医療機関を中心とした連絡会議を発足させました。現在、エイズ診療の問題点を整理しているところでございます。 HIV感染者の診療につきましては、一部に診療報酬上の加算が認められたところでございますけれども、決して十分ではございません。引き続き国に対しまして、医療機関で必要となる経費の支援について要望してまいりたいというふうに考えております。 また、県といたしましては、診療事例検討会、医療従事者の研修など、県レベルで実施することが可能な支援の方法について検討してまいりたいと存じております。 次に、ボランティアに対する支援についてでございますが、御指摘のとおり、HIV感染者に対するきめ細かなケアを推進していくためには、幅広く社会全体からの支援体制の整備が不可欠であります。中でも、ボランティア団体の育成や支援が特に重要と考えておるところでございます。 現在、県内には幾つかの団体がございますが、県といたしましては、ボランティア助成事業の活用や県で設置しておりますエイズ情報センターの中に、ボランティアの方々の活動の場を提供するなど、その育成を図っているところでございます。 このようなボランティアは、今後、エイズ感染予防や感染者の社会的支援にますます大きな役割を果たすものと考えられますので、今後とも、御提言の趣旨を踏まえて、ボランティアの育成に努めてまいりたいというふうに考えております。        〔荒井桂教育長登壇〕 ◎荒井桂教育長 御質問三、O-157等に対する安全対策についてのうち、私に対する御質問にお答えを申し上げます。 大阪府堺市をはじめ、全国各地でO-157によるとみられる食中毒事故が発生し、多くの児童生徒を苦しめ、また、尊い命が失われましたことは、誠に残念なことでございます。 心身ともに健やかな児童生徒の育成を目的とした学校給食において、このような痛ましい事故はあってはならないことでございます。 県教育委員会といたしましては、衛生部との緊密な連携のもとに、給食従事者の検便、給食用食材の検査、施設設備の点検や献立の見直しなど、衛生管理の徹底を図るとともに、児童生徒への保健衛生指導の充実に努め、食中毒防止に万全の対策を講じてまいりました。 また、O-157などによる感染症が伝染病予防法上の指定伝染病に指定されたことに伴いまして、病原体保有者の就業制限などが生じましたが、調理従事者につきましては、直接食品に触れる業務以外の仕事に従事することは差し支えないことと、児童生徒の登校問題につきましては、検便の結果、病原体が検出された場合であっても、登校できる健康状態であれば、出席停止の措置をとることのないよう、法の趣旨に従って指導してきたところでございます。 さらに、O-157に関する誤った認識や不必要な不安から、児童生徒のいじめや人権の侵害が起こらないよう、O-157とその予防法についての正しい理解や発症者に対するいたわりや思いやりの指導に努めてきたところでございます。 今後とも、児童生徒が安心して給食を受けることができるよう万全の対策を講じてまいりたいと存じます。        〔古橋光弘農林部長登壇〕 ◎古橋光弘農林部長 御質問六、さくらの郷の整備についての(一) さくらの郷・「彩花苑」の整備事業についてお答えを申し上げます。 まず、現在までの進ちょく状況と今後のスケジュールについてでございますが、本年三月に策定しました基本計画に基づきまして、国有林の買受けが年内に完了できますように国との調整を行っておりますとともに、さくらの植栽計画、施設の位置、規模などを具体化するための基本設計に取り組んでいるところでございます。 また、この計画の具体化が地域の貴重な自然環境に適合したものとなりますように、条例に基づく環境アセスメントの実施に向けまして準備を進めているところでございます。 次に、基本的な区域の設定についてでございますが、お話のさくらの郷は、越生町、毛呂山町を中心に、JR八高線沿線の県西部地域の中核的な観光拠点として、世界に誇れる施設を目指して整備するものでございまして、計画区域周辺の観光資源などを生かしながら集客力を高め、地域の活性化に寄与できますよう努力してまいりたいと存じます。 次に、関係部局との体制づくりについてでございますが、この事業が(仮称)県営スタジアム、さきたま古墳公園とともに県の大きなプロジェクトの一つでありますことから、関係部局間の円滑な調整を図るために、池上副知事を座長とする「さくらの郷整備事業庁内推進連絡会議」を設置するとともに、この会議の下に建設専門部会及び交通専門部会を設置いたしまして、越生町、毛呂山町とも連携を密にしながら、具体的な詰めの作業を行っているところでございます。 このさくらの郷・「彩花苑」の事業につきましては、知事も日ごろから申しておりますとおり、世界に誇れる施設となりますように、関係部局一体となりまして、引き続き全力で取り組んでまいりたいと存じます。        〔喜多河信介土木部長登壇〕 ◎喜多河信介土木部長 御質問六、さくらの郷の整備についての(二) 新飯能寄居線の整備についてお答え申し上げます。 この路線は、さくらの郷へのアクセス道路として最も重要な幹線道路というふうに認識しまして整備を進めております。 お尋ねの毛呂山町地内の、まず岩井工区につきましては、現在、用地買収率が九三パーセントでございまして、平成八年度から一部工事に、既に着工したところでございます。 また、葛貫工区につきましては、地元の御理解をいただきまして、説明会も順調に進み、現在、用地交渉を行っているところでございます。 今後とも、地元の御協力を得ながら、全線の早期完成に向けまして努力してまいります。 次に、(三) 新川越越生線の整備についてでございますが、この路線は、川越市地内の国道一六号から圏央鶴ケ島インターチェンジを経て越生町地内の県道飯能寄居線に至る広域的な幹線道路であり、道路の性格、将来交通量などから、四車線道路として調査を進めております。 この計画ルート上には、都市計画道路としての計画がない区間、二車線で都市計画決定されている区間、あるいは土地区画整理事業が先行している区間等があることから、ルート・構造などを選定する上で総合的に調整する必要がございます。 今後は、環境影響評価を実施するなど、計画の熟度を高め、早期に都市計画決定ができるよう、鋭意、努めてまいりたいと存じます。          ---------------- △次会日程報告 ○浅古登議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明三日は、午前十時から本会議を開き、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。          ---------------- △散会の宣告 ○浅古登議長 本日は、これにて散会いたします。午後四時十二分散会          ----------------...